捻くれ少女への励まし ページ42
「ジローは、ワザとじゃんけんに
まけたんだぜ」
じゃんけん？
思い当たる節がないわ
「委員決めの時。
彼奴、俺にワザと負けたんだ。
それまでずっとやりたがっていたのに
女子の図書委員が決まった途端にな。」
女子の図書委員が決まった時は
私が図書委員になった時。
「[俺、やっぱやめる！
図書委員にするC〜]
って言って、本当に図書委員に
なったんだぜ」
彼奴、ワザと負けたんだ…
「それから、いつも月2回くらいしか
来なかった朝練も、最近ちゃんと
きてるんだぜ？
そんでたまにボーっとしてるんだ。」
「お前も、わかってんだろ？」
何時も痛いほど感じる視線
けれど不思議と本当に痛くはなくて、
ついまた同じ時間に登校してしまう
そして彼は告げる
「逃げるなよ。
向き合ってやれ。
彼奴は本気だ。
お前らの間に何があったかは
しらねぇがな。」
残酷なその言葉を
「頑張れよ」
頑張れ。
それ程軽々しい言葉を私は
知らなかった
一番嫌いな言葉だった。
けれど、とってつけたように
私の頭を不器用に撫でる彼が発した
言葉とは全く別に感じられた
「ほら、ジローのとこ行ってこい！
しっかりやって来いよ！」
そう言って私の背中を押す
何か、言わなきゃ
口がうごくだけで、
言葉が出てこなくて…
「ありがとっ…宍戸」
これが、精一杯だった
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花槙 - ありがとうございます！ (2015年9月26日 19時) (
レス) id: 4619df279c (このIDを非表示/違反報告)
千晴(プロフ) - ヤバイ！ジロー優しい＋可愛い！ (2015年9月25日 6時) (レス) id: b7baaf9583 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花槙 | 作成日時：2015年8月17日 21時
