【花巻貴大】マッキーくんとマイッカーちゃん

マイッカーちゃんと 3 ページ3

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中には数名おり、これなら鈴井は入って来ないと安心する

力がすうっと抜け、重かった腰を落とす


すると頭上から心配の声が聞こえてくる





及川「あれっマッキー大丈夫? 走ってきた?」

「いやっ、競歩」

松川「もしかしてまたすず、、」


と、松川が言いかけた途端、部室の扉がバァン! と強く開く





鈴井「もう貴大くんったら。追いかけっこがしたかったのならそう言って下さればいいのに」





そこにはニコッと笑う鈴井がいた。可愛らしい笑顔だが俺には恐怖しか感じられない


すぐに扉とは反対の場所へ逃げる





及川「ってAちゃん何勝手に入ってきてるの!?」

鈴井「あらごめんなさい! 及川くんたちが居たとは

あっそうだわ! 謝罪の代わりにこれ皆さまでお食べになって」





バッグの中からタッパを取り出すと、中に沢山のハチミツ漬けのレモンが


ふわっとレモンの匂いが部室を包み込む


美味しそうな匂いに釣られて、みな鈴井の前へ集まっていく





「あ、おいお前ら!」

鈴井「大丈夫。貴大くんにはハイ」





みんなと入れ替わりに鈴井が俺の前に立つ

再びバッグから小さなタッパを取り出す。今度はオレンジゼリーが敷き詰められている


そしてゼリーの中には輪切りにしてあるオレンジが数枚入っていた





「え、あ、ありがと……」





動揺しながらお礼を言うと、ふふっと笑う鈴井





鈴井「まだ部活まで余裕あるでしょう? スプーンもあるからね」





鈴井からスプーンを受け取り、一口分のゼリーを掬い口へ運ぶ





「……美味い」

鈴井「本当? 嬉しいわ」





口いっぱいにオレンジの甘酸っぱさが広がる


と、同時に血……じゃなくて鉄の味もした





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