帰り道 ページ42
*
「 もう 、クリスマスだね 。」
「 ん 。」
イチョウで黄色く色づいていた並木道も 、今じゃすっかりイルミネーションでライトアップされてる 。
あの日は結局 、せっかく集まってるしってスニョンくんに誘われてご飯に行った 。
私はウォヌさんの隣で頬っぺたの熱が収まるまで 、ずっと俯いてたけど …
それから何だかんだテストなどで忙しくて 、1週間が経った今日 。
これから久しぶりに彼の家に行くんだけど … 内心ものすごく緊張してる 。
「 何したい？ 」
「 え？ 」
「 クリスマス 。」
…… クリスマス 、かあ 。
今まで家族としか過ごしたことがないから 、全然分かんない 。
カップルってクリスマスどう過ごすの？
「 … と 、とりあえず 、ケーキ食べる 。」
「 ん 。」
「 モンブランのがいいな 。あ 、あとねチキンも外せないよね 。」
「 それ 、何したいかじゃなくて 、何食べたいかになってる 。」
ウォヌさんにつっこまれてホントだって笑う 。
でもホントこれがしたい！とか思いつかなくて 。
… ただ
「 …… ウォヌさん一緒にいてくれるんだよね 。」
「 ん 。」
「 だったら … それでいいよ 。」
一緒に過ごせられるだけで幸せなの 。
そっかって言っただけのウォヌさんだけど 、ぎゅっと握った手が同じ気持ちだって伝えてくれてる 。
「 … 寒いね 。クリスマス 、雪降るかな 。」
「 降るかもな 。昨日も降ってたし 。」
「 え！うそ 、いつ？ 」
「 夜中 。2時半とか 。」
「 寝てた … 」
…… 今年の初雪 、いつのまにか終わってたんだ 。
「 でもだから今日特に寒いんだね 。」
「 寒い？ 」
「 うん 、ウォヌさんも寒いでしょ？ 」
「 ん 、寒い 。」
呟くと繋いでる手を 、そのまま自分の上着のポケットに入れるウォヌさん 。
「 わあ 。」
「 なに？ 」
「 今ね 、キュンとした 。」
「 … わーい 。」
わざとはしゃいでみせる横顔に笑いながら 、寒いのは苦手だけど冬は好きかもって思った帰り道 。
*
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作者名：華子
| 作成日時：2017年10月7日 21時
