あの日のこと ページ30
*
「 え？ 」
「 ナヒちゃんがカレと別れたのもウォヌさんが好きだか … 」
「 ちょっと待って 、Aちゃん 。なになに 、どうしたの？ 」
目を見開きながらも 、私を制すように手を前に出すナヒちゃん 。
… もういい 。
やっぱりずっともやもやしてるのやだよ 。
怖いけど不安だけど聞こう 。
「 … あ 、あのね 、ナヒちゃん 。」
「 うん 。」
「 わ 、私 … 見たの 。ナヒちゃんが別れたって報告してくれた前の日 … 」
「 見た？何を？ 」
心臓がうるさい 、ドクドクいってる 。
「 ナヒちゃんとウォヌさんが一緒にいるところ 。」
やだ 、泣きそうになる 。
「 ナヒちゃん … ウォヌさんに 、くっついてるように見えたの 、だから … ウォヌさんのこと … 」
私の言葉にナヒちゃんは 、頬杖をついて遠くを見るような目をしてから笑みを浮かべると言った 。
「 … そっか 、見られちゃってたんだ 。」
「 … うん 。」
「 やだな 。あんな情けないところ 、Aちゃんに見られてたの 。」
それから 、フォークを置いて姿勢を正すと 、まっすぐに私の目を見る 。
「 あの日のこと全部話すね 。」
「 …… うん 。」
「 まず 、結論から言うと私はチョンウォヌのこと好きじゃないよ 。」
「 え？ 」
「 カレと別れたのも全く関係ない 。」
… え 、でもさっき
「 ウォヌさんのこと … いいねって 。」
「 いいと思うよ？年上だったらアリだったかも 。」
年上しか好きになれないのって笑うナヒちゃん 。
そういえば 、元カレさんも年上だった 。
「 別れたって報告したとき 、どうして急に？迷ってたみたいだったのにってAちゃん言ったよね？ 」
うんって小さく頷く 。
「 そのとおり 。… あの日も迷いながらもやっぱり好きだからカレに会いに行ったの 、連絡入れずに 。… それがいけなかったんだけどね 。」
そこで少し間を置いてから 、ナヒちゃんはゆっくりと続けた 。
「 出くわしたの 。…… カレが女と家から出てくるところに 。 」
… なんてタイミングなの 。
「 私と全然違うの 、THE大人の女って感じでショックだった 。それにカレが弁解した相手は … 私じゃなかった 。」
浮気相手は私だったって笑うナヒちゃんだけど 、やっぱりまだ傷が癒えてないように思えて … 胸が締めつけられた 。
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作者名：華子
| 作成日時：2017年10月7日 21時
