彼への気持ち ページ24
*
「 …… 見た？ 」
「 うん 。」
帰り道 。
ウォヌさんにDVD見る？って聞かれたから 、もう見たって答えた 。
「 昨日借りてひとりで見た 。」
先を歩いてた私の手首を掴むと 、自分に向かせるウォヌさん 。
「 …… 何かあった？ 」
何かあった？
それはウォヌさんの方じゃないの …？
「 あんなに俺と見たがってたのに 。」
その一言にいつかの二人でのやりとりを思い出す 。
'' これ！私すごく見たいやつ！ ''
'' 俺も見たい ''
'' ホント？じゃあ絶対一緒に見よう？あ 、ウォヌさんの家で見たい！テレビおっきいし！ ''
思わず俯いた私に 、ウォヌさんはまた聞いてきた 。
「 やっぱり … 俺の 、」
「 … 行ってない 。」
どうしても認めたくなかった 。
…… だってウォヌさんも嘘ついてるし 。
それに
'' 行ったよ ''
'' ナヒちゃんと一緒にいるの見て帰っちゃった ''
… なんて口に出したら泣いちゃいそうで 。
すごく嫌だったの 。
ウォヌさんが私以外の女の子といても 、告白されても連絡先渡されても 、今までなら全然気にならなかったのに 。
付き合いたい 、彼女になりたい 。
… そう思うだけが恋じゃない 。
一緒にいて幸せだと思えて 、ずっとそばにいてほしくて 、誰にも取られたくなくて 、この人を失いたくなくて 、私だけを見ててほしい 。
そんなことを思うのもきっと恋なんだ 。
…… ウォヌさんが好き 。
今私の中にある気持ちは 、友達のウォヌさんに向けられたものなんかじゃない 。
たったひとりの好きな人 、ウォヌさんへのもの 。
「 Aちゃん 、」
私の名前を呼んだ彼の瞳が向けられた瞬間 、ぶわって込み上がってきた涙 。
「 … か 、帰る 。」
それが溢れ落ちる前に背中を向けると歩きだす 。
もう … なんで 、なんで … こんな苦しいときに気づいちゃったのかな 、ウォヌさんへの気持ちに 。
*
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作者名：華子
| 作成日時：2017年10月7日 21時
