君だから

Extra mmkj version lover ページ37

「こーじくん！」

「うわっ！久しぶりやん！でかなったな！」


今日は関西組が収録で来てる。
久しぶりに会うからお互いテンションがすごい。
めちゃめちゃ抱き合ってるじゃん…
関西人はスキンシップ多めなのか？


「ごはん連れてってよ？」

「予約済みや！」

「ジーコんちがいい！」

楽しそう…
康二んち、皆泊まるのかな…



「睨むな睨むな」

肩をポンとされて。

「睨んでないよ」

「ふーん、ならいいけど」

通りすがりのふっかさんが言う。

帰り支度をして楽屋を出る。

「お疲れ様でしたー」

「お疲れ様ー」

康二は関西組に囲まれて。
こちらも見ない。

ま、今日は仕方ない。





エレベーターを待っていたら

「めめ！」


「なに、どしたの」

走ってきたのは康二。

「今日関西の皆でごはん行くんやけど行かへん？」

「えー、マジ？邪魔じゃない？」


「そんなことあるわけないやろー！」

あははって笑う。

「あー、でもやっぱ遠慮しとく、ジム行こうと思ってたから、楽しんできてよ」

「そうなん？そっか、わかった、ごめんな！呼び止めて、じゃあジム、頑張ってや！」








ジムの帰り道。携帯が鳴る。

康二だ。


楽しそうな写真が送られてきた。

立ち止まって、画面を凝視。数人で団子状態。

「近すぎねぇ…？」

呟いたとき。

後ろから誰かに抱きつかれた。



「うっわ！ビックリした！康二！？」


「そろそろ終わる頃やなって思った」

酔ってる。

「皆は？」

「新幹線で帰った、明日も仕事やし」



「この近くで飲んでてん」

会いに来てくれたんだ。

笑顔が愛しい。

「石鹸の匂い」

俺の肩に顔を埋める。

「康二は酒の匂い…」


言いかけて。気づいた。潤んだ目。


そっかぁ。

寂しいよな。

みんな、帰っちゃったもんな。

キツイよな。

思わずぎゅうっと抱き締める。

「おぉ、どした？めめ？」

「俺がいるじゃん」

頭の上で囁く。


反応はない。

聞こえたかな？聞こえなかったかな。

「またすぐ会えるよ」


「ん、そやな！」


パッと俺から離れて。
うーん、と伸びをする。

天にまっすぐ伸びる、長い腕が好きだ。

弱さを隠して、笑って見せる儚げな表情が好きだ。



時計を見て突然

「やば！終電！走るで！」

「え、タクシー…」

「ブー！贅沢！めめ贅沢！」

笑いながら走りだした康二の背中を追いかけながら思う。

強がりで、いつも頑張り過ぎる康二の
支えになれたら。



それが、恋じゃなくても。

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