優しいきもち ページ3
家に帰ると照が来てた。
床に座り、ソファにもたれて。
「来るなら連絡してくれたら良かったのに、メシ食ってて。」
冷蔵庫から水を取り出す。
「誰?康二?」
「そう。ラーメン食ってきたの、3日連続!さすがに飽きたかと思ったけど、明日も行きましょ!って、康二やっぱり若いわ」
と笑いながら照の隣に座る。
「ふーん」
興味なさ気にテレビから目を離さない。
「康二やっぱり寂しいんだよな、まだ慣れないことも多いし、ホームシックってやつ」
「うん」
「関西とは真逆の環境だし、Jr.の頃と違って、移動にはスタッフさんつくしさぁ、個人の仕事も慣れないスタジオとか移動とか、緊張だよな」
「まぁね。」
さっきからこちらを向かない。
「…照?」
テレビを観る目線を遮るように、照の顔を覗き込む。
眉間にシワ。
人差し指で、照の額のシワを伸ばしてみる。
「どしたの?顔、怖いよ?」
その瞬間、手首を掴んで押し倒された。
「び、ビックリした…」
照の顔は、リビングのライトが逆光になってよく見えない。
「なんか。怒ってる…」
「怒ってない。妬いてんの。ここんとこ、こーじの話ばっかじゃん」
「あー、そう、ね。」
つい毎日のように連絡してくる康二がかわいくて、構ってやりたくなって。
「ほら、心細いだろうと。一人暮らし初めてで、メシぐらいリラックスして食べさせてやりたいじゃん」
「俺の今日の夕飯当ててみて」
「え?照の?な、なんだろ、餃子?」
「ぶー」
「パスタ!」
「ブッブー。正解は、何も食べてません」
「え?なんで?もう今日、終わるぜ?ダイエット?」
「今から食べます。ふっかです。」
「ええ!いや!ちょっと待った!」
「待ちません。腹ペコです。」
気づくと両手首は照の右手にガッチリ捕まれている。
「まってまって!明日早いの!今もう明日なの!俺結構こう見えて脂身でできてるから、深夜に食べたらダメなやつ!」
必死に抵抗してたら、
照の背中がブルブル揺れて。
「…ダメだ、なにその抵抗…」
そう言って、手首を解放して、ぎゅうっと抱きついてくる。まだ背中を揺らして笑ってる。
ホッとしたような、悪かったような…
「ごめん…」
「ほんとだよ」
「でも、明日も約束しちゃった…」
憐れむような目線を俺に向ける照。
明日は俺も行く。
絶対行く。
拗ねたように呟いてからキスをする。
その、かわいい嫉妬が、ちょっと嬉しい、と思ったことは。
照には内緒にしておこう。
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kome - ぽちたつさん» 毎回本当に嬉しい感想をありがとうございます!iwfk厨による自己満世界ですが、少しでも楽しんで頂けたなら書いて良かったと思えます、またそのうち書き出します(笑)ので、またお会いできましたら光栄です(^^)ありがとうございました(*^^*) (2020年11月10日 21時) (レス) id: 2363d5dc54 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちたつ(プロフ) - ございます!!大好きでございます。絶対、またお会い出来ますように。。。 (2020年11月10日 0時) (レス) id: 8fa565a580 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちたつ(プロフ) - もんね(笑)本当にバランスの取れたふたりでそういうふたりが大好きです^_^kome様の書かれます言葉の世界大好きです。優しい気持ちに溢れているのでいつも多幸感に包まれるのです。また、kome様の世界観にお連れ頂ける日をお待ちしております!いつも本当にありがとう (2020年11月10日 0時) (レス) id: 8fa565a580 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちたつ(プロフ) - 失礼いたします。『笑って』拝読させて頂きました。ru君どころかみんな知ってる事を知らなかったfkさんと策士で激重彼氏さんなiwさんを堪能させて頂きました!悪い虫は「ぶっ飛ばす」えぇえぇ、それでこそiwさんですしそうでなければfkさんは守れませんし独占出来ません (2020年11月10日 0時) (レス) id: 8fa565a580 (このIDを非表示/違反報告)
kome - ぽちたつさん» 感想ありがとうございます!iwさんの完璧に見えて天然なところや、fkさんのふざけてるのに回りをよく見てる実はデキル男な所が大好きで、そんな雰囲気が出たらいいなと思っています、表現こそ違えど同じ比重の愛情、同意です!理想のお二人です(^^)お読み頂き感謝です! (2020年11月4日 22時) (レス) id: 2363d5dc54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kome | 作成日時:2020年3月14日 22時