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放課後。
せみの婚カツも大詰め・・・って、全然上手いこといってるんかわからんど・・・。
今日はもっとたくさんのカップルを成立させるべくお宅訪問やて。
「・・・ぶちょー、気ぃつけやー」
「わかってるー。今、ええとこやねんて」
・・・何がええとこなんか意味わからん。
まぁ、ええけど。
この公園で一番大きな木に、ぶちょーはするすると登った。・・・ちっちゃいだけあって、身軽やね。
「ええ子やなぁ・・・大人しく・・・」
やから指先ぐるぐるはとんぼや、て。
そうココロでつっこんでたら
「あ!?うわぁ!!」
ぶちょーの声と共に、激しくバタつくせみの羽音。
「!」
・・・とっさに、カラダが動いたんは自分でもほめてやりたいくらい。
ぶちょーは木の上でバランスを崩して真っ逆さま。
あぶない!と思ったその時、ギリギリで伸ばした俺の腕の中に収まった・・・セーフ。
「・・・よかったぁ・・・」
「・・・怖かったぁ・・・」
腕の中、半べそで見上げてくるぶちょーはそのまま俺の首にしがみついてきた。
「おーくらぁ!ありがとうぉ!!」
うわぁ・・・近いな、やばいな。ぶちょーのどきどきが伝わんねんけど・・・うわー!うわー!
「・・・ええよ」
俺はどきどきを気づかれんように・・・そう答えるのが精一杯やった。
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作者名:松本 | 作成日時:2020年2月2日 21時