人生ゲーム Level.3

113 = Yongbae's room ページ21

何やってんだ、俺...。


あんな事して、ただの八つ当たりじゃん...。




YB｢頭痛いー...｣



PCの前に突っ伏すと、ゴチンと冷たい机が額に当たった。

画面なんて見てないのに、耳の横でマウスをグルグル。





今の俺と同じ。

感情のコントロールが利かず、グルグルグルグル。




Aが好き。


だけどAは？




彼女の力になりたい。


だけどそれって、俺の独りよがりかも。




だってAは、ジヨンと居て笑ってるじゃん。


気付きたくなかったけど、君を見てる俺は気付いてしまう。




ぽーっと惚けて、何かを懐かしむような視線。


彼女はアイツを、そんな風に見てる。





虚しくなったんだ。


いくら頑張っても、この想いは宙ぶらりん。


俺とAの間の気まずい空気は、俺の努力じゃ拭えなかった。


追い討ちをかけたのが、Aの謝罪の言葉。


虚しくて、何もかもが嫌になって。


身勝手に、Aを突き放した。







YB｢...寒っ。｣



横を向いて、今度は頬に冷たい感触。


すっかり春なのに寒気を感じるのは、冷えた机の所為にしとく。





ペンラックの前に飾っておいた、小さいサイズのクリア袋。


それを手に取って、重い体を起こした。




YB｢どんな意味があるんだろ？｣



袋を目の高さにすると、"Silver Smith SOL"の合間から射し込む陽で中身が光って。



綺麗だなー。

シンプルだけど、それが逆に引き立ってる。




箱を開けて最初にコレを見たときも思った。

お世辞でもなんでもなく、純粋に綺麗だと感じたんだ。




元の位置に戻すと、キーボードに指を置く。


検索ワードは...えーっと、なんだっけな？




梱包してあった箱を取ろうと、椅子を回してクルっと半回転。


同時に、俺の視界もぐわんと揺れた。





YB｢やばい...。風邪引いた...。｣



頭痛、鼻水、喉の痛み。


風邪症状の自覚は、昨日からあったんだよね。


体が重いのも寒気も、ほんとは風邪の所為。




YB｢う"ー...。｣



壁時計の針は、まだ18時前。



あと2時間だし。

幸か不幸か、店は暇だし。






家には帰り難いし...。


ぼんとリンコと、運が悪かったらアイミさんにまで責められそうじゃん。←





大丈夫。

熱はまだ無い。





...って、思い込もう。

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