大西流星短編集4 (ページ8)

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正「廉ほら行くで」

廉「おう」

『廉くん、正門くん』

廉「えっ、俺？」

正「俺ら知り合いなんかな？」

『えっと、その』

堪えていた涙がポロポロと頬を伝う

廉「おい、正門！何泣かしとんねん」

正「え～、俺？どないしたん？君」

『なんでもないです』

ほんまに忘れられとるんやって思いと
ふたりが忘れてくれてよかったという思いでごちゃごちゃになる

やけど最後はとびきりの笑顔で伝えんとな

『廉くん！正門くん！ありがとう！』

ふたりはポカンとしとったけど背を向けて駆けた
溢れ出る涙が乾くほどに全速力で

「「流星！！！」」

ふたりが僕の名前を呼んだことに気づくことはなかった