大西流星短編集4 (ページ43)

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俺は30m先くらいにおる流星を追いかけて
後ろから強く抱きしめた

『っ！大ちゃん、ここ外やで』

「わかっとるよ」

『誰かに見られたら』

「俺は誰かに見られてもええ！それくらい流星のこと本気やねん」

『……わかったから、車行こ？』

なぜだがさっきよりも落ち着いた流星と手を繋ぎ駐車場へ向かう
会話はなかったものの、この無言の時間も好きやった

「あんな、俺が流星に触るん控えとったんは、その」

こんなん普通本人に言うことやないし

流星の方を見ると真っ直ぐな瞳が俺をとらえる

『大ちゃん？』

「我慢できひんねん！」

『我慢？』

「最近ますます可愛いなるし、流星の隣におったら、流星が嫌がることしてしまいそうで、」

『大ちゃん』

「ひいたやろ？」

『ひかへんよ？流星やって、大ちゃんとその、キスより先のことしたいっていうか、大ちゃんやったら平気っていうか、』

顔を赤く染めながら話す流星が可愛くてさっきよりも強く抱きしめた

『それ、ほんまに言うとるん？』

ふたりきりの車内やのに
ほんまに流星にも聞こえるか聞こえへんかの声で呟いた

『僕も、大ちゃんがほしい……』

「ほんま、昼も思ったけどそんなセリフどこで覚えたん？俺教えてへんよ」

潤んだ瞳で見上げられたら俺はもう我慢なんてできひんで？

そっと流星から離れ車を出した

もちろん行先は俺の家
流星やって何度だって来たことがある家

やのにバクバクと心臓がうるさい
男同士の方法はネットで調べたり読んだりもした
俺は……
流星はどうなんやろ？こんな言うてるけどきっと怖いよな？

やけど理性なんてなくなれば
流星に酷いことするかもわからん