正門くんの日常 ページ39
side正門 (大西畑)
俺の日常は大吾の惚気を聞くこと
流星がな〜
可愛かったんよ
あの声が好きやねんな〜
口を開けば流星の話
そんなん本人に言えばいいのに
雑誌とか撮影の時はあんなにべったり惚気けるくせに
プライベートだと、なぜか照れる大吾
それとは逆に、流星は大吾に甘えて、いい意味で大吾を困らせとる
｢あぁ！ほんまあかん、俺の理性限界やで｣
"そんなん大西さんに言えばええやん"
｢アホか！あんな天使にそんなん言えんわ！｣
"天使やで？たしかに天使やけど、大西さんやってもう18なったんやで？さすがにある程度のことは知っとるは"
｢黙って｣
"は？"
いくら同期でも親友でもツレでも、俺は時々こいつがかわらんくなる
｢流星はなんも知らんでええねん。知ってほしくない。｣
"や、それはさ、でも、自然と耳に入ることもあるやろ"
｢そんなん許さんわ。今まで俺がどれだけそうゆうことを耳にさせへんようにしてきたか知っとるか？流星がそうゆう知るんは俺が教えた時や。他のやつに教えたりはさせへん……｣
"お前な〜"
あんまりやぞ、という言葉は胸の奥にそっとしまった
やって大吾が真剣で、携帯の液晶に映る流星ほあまりにも愛おしそうに見つめるから
他人には理解し難い
やけどふたりにとっては大切な空気が考え方があるんやって思う
流星は大吾のことをどう思っとるんやろうか？
前に"大吾の愛って重ない？"って聞いた時に、え、といってような顔をしとった
『大ちゃんの愛は重たいけどやけどそれが心地よくなっちゃったんよ、どうしましょ』
なんてハニカまれたらそれ以上のことは聞けへんかった
距離感バカなんて言われとるけど
それ以上に誰にもわからない重い愛が
たとえば見えない鎖や足枷みたいなそんなものがあるのかもしれん
男を好きになる感情は俺にはわからへんけど
それでも俺やって流星かわええって思うし
彼女やったらどんなに幸せやろうって考えたことやってある
でもきっと、大吾はその先の俺には考えが至らないそんなところまで考えとる気がするんや
誰もがふたりの関係を受け入れるわけではない
やからこそ俺はそばで見守って
大吾の惚気を大西さんの話を聞きたいんや
やから俺はこの日常を大切に大切にしたい
ふたりを守ったりたい
fin
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作者名：ましろ | 作成日時：2019年7月5日 1時
