大西流星短編集4 (ページ17)

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『大ちゃんどないしたん？』

不安そうに俺を見つめるその瞳には
なっさけない顔した自分が映っとった

「かっこ悪いな、、、」

『え、』

「俺ってかっこ悪いなって思って」

『そんなこと、そんなことない！大ちゃんはかっこいい！』

「ええよ、そんな言わんでも」

『よくない。よくないねん！流星にとって大ちゃんはいつもかっこいいで！ヒーローみたいやねん』

「ヒーロー？」

『流星がピンチの時いつもそばには大ちゃんがおって助けてくれとるんやで』

流星の表情がすごく優しくて
流星から紡がれる言葉は嘘やないって伝わった

『やけど、やけどな、流星は大ちゃんの負担になりたくない』

「え？」

『流星が甘えるから大ちゃんに負担がかかってまう』

「そんなこと」

『そんなことあるねん！やって、大ちゃんに嫌われたくないもん。大ちゃん離れていかんで』

「え？」

『流星強くなるから、もう甘えたりせえへんから、やから離れとってや』

流星の大きな瞳から雫がこぼれおちた

「ごめん。ごめんな。」

俺の勝手な気持ちで流星にここまで言わせて泣かせて
もう"好き"とかそんなん自分の感情なんてええ

好きよりもっと…………
もっと大切な想いがあるから

「流星おいで」

この子を安心させたりたい
小さな体で大きなものを背負いすぎとるこの子を守りたい

そっと抱きしめると流星も腕を回してきて、ぎゅっと力が加えられた

「流星ごめんな。もう離れたりせえへんから。大丈夫。俺勝手にぎくしゃくして自分の気持ちもわからんくて」

『大ちゃん？』

腕の中の天使はキョトンとした顔で俺を見上げた

「流星好きやで」

『流星も、大ちゃんのこと大好き』

「かわいい……///」

告げた"好き"が恋愛感情だとお互いが知るのはもう少し先のお話

完