ほら君が笑うと (ページ8)

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番外編初恋は夕暮れオレンジページ8

きょろちゃんは知らんかもしれんけど
僕の初恋の相手はきょろちゃんなんやで

入学式の日
大ちゃんたちと夕方まで遊んだ

"送ってくよ"そう言う大ちゃんを制して一人歩く帰り道
知らない人に話しかけられた

"可愛いね、お兄さんと遊ばない？"

僕別に可愛なんてないし、なんなんやろこの人ら

『帰るんで』

"いいやん行こや"

少し強引に手を引かれバランスを崩した僕を受け止めてくれたのがきょろちゃんやった

「この子、俺の彼女なんで」

そう言うと手を引かれて彼としばらく歩いた

『あっ、あの！！！』

高台の公園に着いたあたりで声をかけてみると慌てたように手を離して

「ごめん、」

『いや、助けてくれてありがとうございました！』

「ええよ！やけどこんな時間に女の子一人気をつけな」

『いや、女』

「あっ、もしかして彼氏おった？」

『いえ、いません！』

言葉を遮られて女やないって言えへんかったけど、彼は"そっか"と笑った

夕暮れの綺麗なオレンジが彼を照らした

トクン

胸が高鳴った

『あのっ！名前！名前教えてくれませんか？』

「名前？俺の？」

『はい』

「高橋恭平」

『恭平くん』

「うん」

これがきょろちゃんと初めて出会った日

たくさん探してどこの学校やろ？年上かな？なんて考えてたある日
隣のクラスからでてきたきょろちゃんとぶつかった

僕の初恋はあの日と同じように音をたてた

きっと"好き"だと感じたのはあの時
夕日に照らされたきょろちゃんが笑ったあの瞬間

流星の初恋は夕暮れオレンジ