56 side 大吾 ページ7
流星は電車の時間があるからと早く帰ることになった
あかん、今言わな。2人きりで話す時間ないやん。
そう思い立ち上がろうとした時、恭平も立ち上がり
恭 「俺も先に帰ります！お疲れ様した！」
とチャラ王子スマイルで先越された
龍 「大吾、流星見送らんでええん？」
いつも見送りよったから不思議に思ったんか、龍太くんが尋ねてきてくれた
大 「行ってきます！」
龍太くんに感謝しつつ急いであとを追った
店の外に出ると12月の冷たい風が上着を着損ねた身体にしみた
まだそんなに時間経ってへんのにおらんから、駅の方向に向かって歩くと、２つの人影が見えた
流星と恭平や！
近づくにつれ少しずつ会話の内容が聞こえてくる
２人は俺に気づいつへんみたいで話し続ける
流 「好きやで」
その前はなんで言いよるか聞こえへんかったけど、はっきりと聞こえた言葉
流 「なっ、なんか、言うてや///」
恭平がなにも反応せんから、恥ずかしそうに慌てとる
恭 「だって、流星くんが可愛すぎるから」
流 「可愛くないもん」
恭 「かわええって」
こんなん、今までの俺と流星みたいやん
恭 「俺と、付き合って？」
流星頼むから返事せんといてや。俺が大切にしたいねん！流星のこと離したくないねん！
そんな俺の心の声は届かず
流 「よろしくお願いします」
と言って流星は頭を下げた
遅かったんや。もう流星は俺１人が…
大 「うっ、うっ」
そう思うと今まで堪えてた分の涙が溢れて止まらんかった
歪む視界の先で、２人が楽しそうに話しながら遠ざかっていく
大 「りゅ、うせぃ、行かんといて、、、」
そんな俺の声は、クリスマスの夜に飲み込まれていった
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作者名：ましろ | 作成日時：2018年12月4日 0時
