90 side 龍太 ページ41
流星が入ってきて俺と康二の間にちょこんと座った
かわええなってつい微笑んでまう
流 「2人で話しよったんちゃう?ごめん」
ほんまに気が遣える子や
10歳から大人に囲まれて必死に食らいついてきた
いろんなことがあって、周りのことを考えた行動や発言が年を重ねるごとに増えたんはわかっとる
偉いと思うで?やけどな、やからこそ心配なんや
龍 「ええよ」
康 「なんか話あるん?」
流 「ん〜?ないけど、じーこと龍太くんに甘えたくなったぁ」
えへへと笑うけど、その瞳の奥は寂しそうで
自分でもどうしたらええかわからん感情なんやろうなぁって
康 「もぉ、流星はかわええな〜」
流 「なに〜?じーこ」
康二が抱きつくと言葉では嫌そうやけど、顔は嬉しそうで抱きしめられとる手をぎゅっと握っとった
龍 「流星、おいで」
と手を広げてみると
ん?と首を傾けて
流 「こう?」
と俺の腕の中にすっぽり収まった
背中をトントンとすると
流 「子供みたいやん」
クスクスと笑った
龍 「ええねん。流星は子供でええねん。急に成長せんでええよ。成長したくなくてもせないかんときはくるし。流星は流星のままでええよ。」
いろんな思いを込めた
大吾のこともやけど、後輩も含んだユニットの一員になったこと、ちびっ子を連れ歌うようになったこと、俺らとステージに立つ回数が減ったこと
この一年で流星の環境は目まぐるしく変わったと思う
やからこそ、俺や康二にしかできんことをせなあかんねん。流星が壊れる前に流星の逃げ場を作っとたらなあかん。
しばらく無言の時間が続いて、泣いとるんかと思って流星の顔を見ると
頰に涙の跡をつけてスヤスヤと眠っとった
康 「寝とる?」
龍 「うん。」
康 「他はうるさいやろうし、ここで寝かしたろか」
龍 「やな、布団敷いたって」
康二が布団を敷いた上に流星をお姫様抱っこして寝かせる
康 「ほんと強いよな。いや、ほんまはめっちゃ弱いんかもな。強がっとるだけっていうか、」
龍 「せやな、俺らが、周りが強がらせとるだけなんかもしれんな。」
あまりに幼い頃からこの世界に入るのは経験は積めるやろうけど、それ以上に辛いことやキツイことが多くなるんやろうな…
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作者名:ましろ | 作成日時:2018年12月4日 0時