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本当はもっと単純な男心もあるのかもしれないが、ゲンは敢えて黙り、そして様子を伺うようにAを見つめた。
目を見開き震えた目をたたえた彼女は、初めて、ほっとしたように安堵の息を漏らした。
「はは、そうね、杞憂もいいところだったわ。」
溢れた涙をぐいっと拭き取った彼女は、ゲンを向いてニコッと笑った。
「ありがとう。おかげで独りよがりの嫌な女になるところだったわ。」
「いーえどういたしまして。」
ニコッと微笑んだゲンは、改めてAの強さと弱さを交互に見た。
前々から千空がなんやかんや信頼を預けているのはAだと思っていた、それは単純に彼女の人柄もあるがそれ以上に、焦りや非常事態を共有できるのはAだったから。
でも、それはAも同じだった。
千空の背中にいないと自分がいつ何をさせられるか分からなかったから。
多分千空は、全部わかった上でその背中を預けていたのだ。
何もしない、だから落ち着けと。
「千空ちゃんも大概ずるい男だねえ。」
「え？」
ボソッと呟いた言葉を聞きそびれたAに、ゲンはなんでもないよ〜〜と返した。
その考え方は裏を返せば、彼女を自分の手元に閉じ込めておくには恰好の理由だ。いずれAはAで道を選ぶだろう。
そして道を選んでもらうためにも千空は人類の復活を最優先に行わないといけない。
どえらい愛情の塊だ。
だからそれが叶うまで千空は何も言わないし、そしてAも安心して戦況が読めるまでは、自分のことをいつまでも子孫繁栄の道具の一つとしてカウントするだろう。
「ややこしい〜〜」
わかっちゃいたが、環境一つでこんなにも人は変わるものかとゲンは呆れていた。
ったく誰がこんなのを想像しただろうか。
こっから先は捉え方次第だし、千空に絶対に音にして言えない。
なぜなら、千空のその考え方は一人の女を幸せにするために人類を救いましょう、にも聞こえるからだ。
「はははっこれはますます俺のアシストが必要だねえ、千空ちゃん。」
にこにこと微笑んだゲンは、るんるん気分で歩いてしまった。
一人で一通り笑い切ったゲンに呆気に取られていたA。
これはかなりめんどくさいことになったのではと思っていたが、ゲンの豊かな想像力は放っておこうと確信した。
それから1月4日の夕方、なぜかゲンに引っ立てられるように化学倉庫の奥に通されたA。
「な、何を。。。」
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、そう言っていただけるのがとても嬉しいです。 世界観に入り込めるというのは、多分夢小説を描く人誰もが描く人誰もが欲しい言葉だと思います。これからもみていただけるように、精進しますね。いつもありがとうございます。 (2021年4月28日 8時) (
レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。以前から感じていた事があります。それは、世界観に本当に入ったような気持ちで、夢小説を読めれる魅力があるイライザさんの小説には、あると思います。夢主が、研究者的なキャラで好みでした。 (2021年4月28日 6時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月27日 23時
