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メンタリストが聞いて呆れる動揺っぷりだが、Aはふふと笑っていた。
「もみの木の枝先にこそっとヤドリギをつけていたでしょう？
何やってんだあいつって、千空怒ってたわよ。」
「あちゃ〜〜バレてたか。」
「ヤドリギの下でキスをしていいっていうのは、現代人しか知らないことだからね。」
「でしなかったんだ。残念。」
「いいのそれが千空だから。」
ニヤッと笑ったAに対して、AちゃんもAちゃんで存外策士だよなあと感じるゲン。
だがその笑みにどこか翳りが見えていて、ゲンはふっと真顔になった。
「Aちゃんはさ、千空ちゃんにずっと言いたいことあるんじゃない？」
「言いたいことねえ。」
ぼんやりと考えていた彼女は、じゃあ伝えてくれる？と小首を傾げてからゲンの返答も待たずに真っ直ぐ告げた。
「私をメスとして必要とする日は来るかってこと。」
「え、何それ。」
女としてではなく生物学上の性別で伝えたことに、ゲンは目を白黒させた。
Aは真顔のままだった。
「昔から、男女でそれぞれ役割は決まってる、男は縄張りを守り、女はどんどん子孫を残していく。
私がこのストーンワールドで一番怖かったのは、千空と大樹と、司の男三人になったタイミングだった。時間にしてわずかの期間だったけれど、生きた心地もしなかったわ。
武力に屈指して、司に硝酸を奪われ、千空と司の膠着状態が続いたら、間違いなく私は切り札の一つに使われる。
これ以上復活液が作れなかったら、私は、私にしかできないことを押し付けられるんじゃないかって。」
俯いた目は震え、下唇をぐっと噛んだA。
それが意味するところを知らないわけないゲンは俯いた。
「することをすれば10ヶ月10日で命は宿る。
人類全員助けましょう計画に、私は否定できない。このストーンワールドで可能性のある考えを捨てきったり、逃したりしたらそれは身を滅ぼすことになる。
私は自分の身を守るためにも、きちんと戦況を見ないと。」
震える肩を押さえ込むように左手で抑えるAに、ゲンはやれやれと首を振ってから、そっと喉に手をあてがい、こほんと咳払いを一つ。
「あのなあ、馬鹿じゃねえの？俺が司の野郎にその選択肢を渡す理由がねえ。
要るか要らねえかでいったら、カケラもねえ可能性にぐちぐち悩むてめえが一番いらねえ。」
ばっと振り返った先には声帯模写したゲン。
「って千空ちゃんなら言うんじゃない？」
小首を傾げたゲン。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、そう言っていただけるのがとても嬉しいです。 世界観に入り込めるというのは、多分夢小説を描く人誰もが描く人誰もが欲しい言葉だと思います。これからもみていただけるように、精進しますね。いつもありがとうございます。 (2021年4月28日 8時) (
レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。以前から感じていた事があります。それは、世界観に本当に入ったような気持ちで、夢小説を読めれる魅力があるイライザさんの小説には、あると思います。夢主が、研究者的なキャラで好みでした。 (2021年4月28日 6時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月27日 23時
