秋から冬へ ページ43
「A、外はどうだった?」
「冬が近づいてる、春や夏の頃みたいに私も出掛けられなくなる。
そろそろもう一つ何かしようと思っているんだけど。」
そう言いながらAは千空をちらっと見た。
「千空の体力が持つんだったら、通信において色々情報をすり合わせたいんだけどいいかな。
ゲンも交えて。」
「ええ?!ジーマーで?」
素っ頓狂な声をあげるゲンだがAと千空を見比べて、「俺、おじゃまにならない?」といらんことを聞いてくる始末。
二人はお互いに顔を見合わせ、
「この頭でっかち女になんの気を使うんだ?」
「科学小僧に何言われても痛くも痒くもない。」
「あ、あっそう……」
気まずさ百パーだろうなとゲンが勝手に落ち込むも二人はガン無視、ゲンの首根っことっ捕まえて、Aの古屋で今後の打ち合わせを図った。
「何やってんじゃろうかのお。」
「さあな。」
カセキとクロムはぽつりと呟きつつ、なぜかこもったまま半日経っても出てこない。
さすがに顔を見合わせた彼らが恐る恐る古屋の中を覗くと、大量の炭の匂いとそこいら中にちらばる紙と朱の入れられた紙たち。
机に突っ伏し、ぶっ倒れている三人に顔を見合わせた。
「な、何があったんじゃ、」
「いや、なんでもねえ。」
「「なんでもなくないでしょうが!!!」」
反射的に体を起こしたゲンとAだが目の下には明らかに疲労の色が見られていた。
「どれだけ化学の知識詰め込まれてたと思ってるのよ。確かに3700年前は現役の高校生だったけど、科学の知識のベースが違いすぎるのよ。」
「んでも着いてこれたじゃねえか。」
「私とゲン以外にするんじゃないわよ。」
疲労で艶も何も無くなってしまった髪をかきあげたAに、不平不満の顔の千空。
「あ?最初に教えてくれっていったのはそっちだろう。」
「私は、ただこれから先一々千空に聞きにいくために引っ張りだこにしたくなかったの。」
「そ、そんなこと言っても、Aちゃんの政治史中心の歴史もゴイスーだったよね。」
「あらそんな軽口を叩けるあたり流石ね。」
「あーーよう分からんが、こっから先の司と渡り合う上でも大事ではあったな。」
「でも一番きつかったのは、モールスとかあの辺の専門用語が…」
「ジーマーそれ…」
はああとため息をついたAとゲンは立ち上がる。
「あ〜〜一歩も動けねえ。」
「寝てていいわよ、留守番頼んだから。」
「おーー。」
そういって二人は集まった村人を割って出ていってしまった。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、そう言っていただけるのがとても嬉しいです。 世界観に入り込めるというのは、多分夢小説を描く人誰もが描く人誰もが欲しい言葉だと思います。これからもみていただけるように、精進しますね。いつもありがとうございます。 (2021年4月28日 8時) (レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。以前から感じていた事があります。それは、世界観に本当に入ったような気持ちで、夢小説を読めれる魅力があるイライザさんの小説には、あると思います。夢主が、研究者的なキャラで好みでした。 (2021年4月28日 6時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イライザ | 作者ホームページ:
作成日時:2021年4月27日 23時