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ただ彼の亡き妻を想像させるAに、Aは自分でも少々むず痒いような気がした。
「村長の奥様は、こんなじゃじゃ馬ではないでしょう。」
「確かにじゃじゃ馬ではなかったが、だが、芯は通す女性だった。」
はたと目を上げれば、ニヤッと村長は笑っている。
「もう一度繋ぎ止めても文句は言えまい、男なんぞみんなそんなものだ。」
カラカラと快活良く笑った男に、Aはやや苦笑し、そして千空の元に向かった。
「ねえ千空、わたあめってなに？」
「あ？」
最終的にわたあめを口にしたことで、仲直りしたことは口が裂けても言えないAであった。
ーーー
携帯作りに順調に励んでいく傍ら、Aは村と村の外を行き来していた。
鉱石集めもそうだが、狩猟における基本鉄則、縄張り確認だ。歩きながら、マップを確認し、次々に地図に染め上げていくA。
キョロキョロとあたりを見渡しながら、AはAの仕事をこなしていく。
もう少し冬が進んできたら、また家にこもっての作業になるだろう。
その前に、千空の手助けになることを一つでも多くこなさなければ、そう思っていた矢先だった。
目の前に現れたのはピンクの、衣装を見にまとった女性。
「あなた石神千空の、何？」
開口一番にする質問がそれかよと呆れるA、ピンクの衣装の彼女の正体がわかっていなかったら、危うく一触即発になりそうな質問の仕方だ。
「ただの昔馴染み。」
「ならどうしてこちら側に着かない。」
「ふっそれはどちらの話かな？」
「お前、」
司帝国とて一枚岩ではないだろう、今更Aに接触するのはただの気まぐれか、情報を引き出そうとしているのか。
近づいたら最後、村の連中に捉えられるのは必須だし、隠されて困るのはほむらの方だ。
接触せず見張りだけ続けていればいいものを、どうしてわざわざ触れに来たのか分からないAは、ニヤッと笑った。
「私は引き込めない。」
「なら村の外を出歩いているのはなぜだ、私ととり引きにでもきたか。」
ああと心の中で納得したA。
よくよく考えればほむらからしたら、わざわざ村の外にまで出て何かゴソゴソやっているAが気になっていたのだろう。
聞き方があまりにも粗忽だったせいで失念していたが、彼女が信じているのはあの氷月とかいう男、司帝国ではない。
地図の確認とストレートにいうのは癪に触ったので、Aは千空のようにニヤッと笑った。
「ただのお散歩。」
ふっと鼻を鳴らして立ち去った。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、そう言っていただけるのがとても嬉しいです。 世界観に入り込めるというのは、多分夢小説を描く人誰もが描く人誰もが欲しい言葉だと思います。これからもみていただけるように、精進しますね。いつもありがとうございます。 (2021年4月28日 8時) (
レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。以前から感じていた事があります。それは、世界観に本当に入ったような気持ちで、夢小説を読めれる魅力があるイライザさんの小説には、あると思います。夢主が、研究者的なキャラで好みでした。 (2021年4月28日 6時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月27日 23時
