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手つきが優しい分、どこかほっとする手つきに千空はゆっくりと瞼をおろしていった。
ああそういや、あの親父にもよくこうやってもらってたっけかなと、思い出して……
「さあできたわ、次は立って高さを。」
と言いかけたところでAは千空の寝息に気がついた。
「ふふ、お疲れ様。」
司にやられた千空の頸を見やったAは、今更だが何もついていないその頸をゆるりと撫でた。
「もうあんな賭けはしないで。」
御呪いでもかけるようにちゅと唇でそのうなじに触れてから、Aはそっと立ち上がり自分の上着をかけた。
「今日くらいはしっかり休みなさいね。」
硫酸、基サルファ剤のために命をかけたのだ、当然の休息だろう。
「まあどうせ明日にはケミカルクッキング！！とか叫んでるんでしょうね。」
駆り出されること間違いなしの明日に向けて、Aも休息を取ろうと立ち上がる。
そのまま彼女は土間の奥に消えていったわけだが、まだ意識がうつらうつらとあったらしい千空は、その紅玉の目を見開いて、耳まで真っ赤にさせた。
「反則技ばっか出しやがって、クソが。」
サルファ剤のロードマップなら出せるのに、どうにもAへのロードマップもクソもない。
やられっぱなしは性に合わない千空だが、あんなのはなかったことにしようと思うが意識だけは、こちらに向いているわけで。
立ちあがろうにも立ち上がる機会を失った千空は八方塞がりの中、寝たふりを決め込むことしかできなかった……
ーー
「おかしいわね、昨日しっかり寝たはずなのにひどいクマね。」
「うるせえ黙れ。」
誰のせいでこうなったと思ってんだと心の中で悪態をついた千空だが、Aに言われるまでもなくひどい寝不足の自覚はあった。
だがやることは盛り沢山だ、バシッと両頬を叩いた千空は、A、と言って振り返った。
「ケミカルクッキングだ、手伝いやがれ。」
「わかってるわよ。」
ニコッと笑ったAは千空の隣に立ち、一緒に古屋の外に出た。
硫酸を煮込み、塩との混合で塩酸を作り、湯の花を交えて、クロロ硫酸を作り上げる。
電気によって分解された、水酸化ナトリウムを作り上げ、最後にアンモニウムまで手に入れた。
「あれをルリ姉に食わせないといけないのか？」
怒りで震えているコハクには申し訳ないが、Aはうんと頷くしかない。
後は明日科学王国チームの誰かが勝って酒を手に入れば完成だ、そう思っていたのだが。。。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、そう言っていただけるのがとても嬉しいです。 世界観に入り込めるというのは、多分夢小説を描く人誰もが描く人誰もが欲しい言葉だと思います。これからもみていただけるように、精進しますね。いつもありがとうございます。 (2021年4月28日 8時) (
レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。以前から感じていた事があります。それは、世界観に本当に入ったような気持ちで、夢小説を読めれる魅力があるイライザさんの小説には、あると思います。夢主が、研究者的なキャラで好みでした。 (2021年4月28日 6時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月27日 23時
