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大袈裟でなく命がけ。
なんせこの森にはうじゃうじゃと生態系のトップが君臨している。彼らは夜目が効く。
訓練していないAなんて飛んで火に入る夏の虫だ。
声を上げる前に頚椎損傷からの、喉仏を噛み切られて一瞬であの世行き。
まだ何もかもわかってない中で、このまま死ぬのは非合理だと彼女は思っていた。
「お願い、どうか、どうか、」
願ってはいられない。
たとえ彼でなくても構わない。
誰か人間が、Aに対して危害を加えない人間がいてくれることを願いながら、Aは歩みを進める。
川の音が聞こえ、Aはごくりと唾を飲む。
夜の川は冷えやすい、なぜなら太陽光が失せた以上冷気がそこから流れやすいから、だから野宿に川辺は相当の装備がない限りは向かない…はずなのだが、燃え盛る匂いも川下からする。
川に足を取られたら土左衛門、森林から襲われたらあの世行き、どれだけ自分がこの世界に適していないのか思い知りながらAは歩みを進めた。
そして、大きな樹木に呆気に取られたAは、重心を支える代わりに使っていた杖をうっかりぽろんと落とした。
「何、これ、」
からんからんと無機質な音がなり、Aが呆然と上を見上げていると、ひょこっとそこから覗いた顔にさらに度肝を抜かされた。
「千空？！」
あげたことのない大きな声に、相手も固まり、そして千空と言う呼び声を聞いて反応したらしいもう一つの影が研究所の方から顔をのぞかせた。
「デカブツ、じゃなかった、大樹。」
失礼千万な声に対して二人は何も反応しない、Aのことを上から下まで見たかと思えば、ものすごい勢いで駆け寄ってきた。
「ちょ、再会の感動なんてするタイプじゃ、「ばかっ！その顔みろ！」
「へ？」
大樹が慌てて持ってきた甕、って言うかなんであるかな？とAは突っ込みかけたが何も言わない。
ほんのりと炎が刺しているおかげで明度さはひどいものの驚いた理由はよくわかった。
それはAの顔。
泥まみれはもちろんだが、かすり傷だらけ、おまけに川周辺を歩いたせいでアブにでも刺されたらしい。ひどい腫れ具合で人相がしっちゃかめっちゃかになっていた。
「何これ、ひどすぎる。」
「とりあえず声でAっつうことはわかった、おいデカブツ。こいつをこれ以上歩かせるんじゃねえ、とりあえずおぶってツリー古屋まで持ってけ。
俺は応急処置をする。」
「おう、任せろ！」
むき出しの肩に人肌が触れただけでAは安心できた。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、そう言っていただけるのがとても嬉しいです。 世界観に入り込めるというのは、多分夢小説を描く人誰もが描く人誰もが欲しい言葉だと思います。これからもみていただけるように、精進しますね。いつもありがとうございます。 (2021年4月28日 8時) (
レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。以前から感じていた事があります。それは、世界観に本当に入ったような気持ちで、夢小説を読めれる魅力があるイライザさんの小説には、あると思います。夢主が、研究者的なキャラで好みでした。 (2021年4月28日 6時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月27日 23時
