喧嘩 ページ24
だが、こんなに早くに別のところから、情報が舞い込んでくるとは思わなかった千空。
握りしめた肩はびっくりするくらいに震えていた。
「てめえ、あの場所がどれだけ危険かはわかってるだろ?!
こっから先は科学でも、化学の領域に入る。一歩間違えたら速攻でお陀仏だぞ、トライアンドエラーじゃねえ、科学に通じてる俺だってどうなるかわかんねんだ、それを、、わかってんのか!!」
彼は静かに怒るタイプだ、おまけに見切り発車で言いつけたりしない。
それが先走って、こんなに語気を乱すとは思わなかったAだが、淡々と報告を続けた。
「ああ、命知らずなことをしている自覚はあるよ、次いでに司の帝国の様子も見てきた。」
「なっ、」
「しっかり着実に数は増やしてる、残念ながら大樹と杠には絶えず監視が着いて、会えそうになかったけど、でも元気そうよ。」
「なんで知らせなかった、」
「止めるって確信していたから。
それに、獅子王司は私の死までは確信していないわ。そんな折にあさぎりゲンっていうスパイを寄越した。しかも彼、私のことを伝えていなかったのよ、そのスパイさんに。確認すべきはあなたの生死だけよ、これがどういう意味かわかる?千空。」
「……そうか、ゲンのやつが、報告の一環としてお前の名前を出せば、ゲンの矛盾した報告を受けて司は一個、科学王国の存在を認知できるわけだ。
つうことは、間接的に俺だけじゃねえ、ゲンのやつもはめるつもりだったのか、司は。」
険しく前を睨みつける綺麗な紅い目にAはコクリと頷いた。
「ええおそらくね。私が外に出かけていなくて村の中で鉢合わせせずに、村の外でお互いに確認しあったのが偶然功を奏してね。
彼はとっくにあなたの味方よ、千空。
それと実は前回の段階で司の使い手たちは見かけていたの。あなたの死体でも上がっていないかってね。」
「……じゃあ。」
「ええ、ローラー作戦にしては不完全すぎる。すぐに戻って用意を整えないとって確信したの。顔の泥は顔をバレない用にするためよ。」
「はあ、っとに、てめえのそばにいるとこっちの心臓がいくつあっても持ちやしねえ。
勝手にいろんな所うろちょろしやがって。」
「硫酸までの道案内は任せて、」
「あ?誰が行かせるバカ、てめえは大人しくここで待ってろ。」
Aが持ってきた地図を握った千空は、荒々しく出ていってしまった。
追いかけようにもその背中がそれを拒絶していると、Aは上げかけた手を緩やかに下ろした。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、そう言っていただけるのがとても嬉しいです。 世界観に入り込めるというのは、多分夢小説を描く人誰もが描く人誰もが欲しい言葉だと思います。これからもみていただけるように、精進しますね。いつもありがとうございます。 (2021年4月28日 8時) (レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。以前から感じていた事があります。それは、世界観に本当に入ったような気持ちで、夢小説を読めれる魅力があるイライザさんの小説には、あると思います。夢主が、研究者的なキャラで好みでした。 (2021年4月28日 6時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イライザ | 作者ホームページ:
作成日時:2021年4月27日 23時