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だが一切合切動揺を見せないAと千空に痺れを切らした彼は、あの手この手と妖術もとい、科学を繰り出す。
しかしそれだけ多くの引き出しがどうして彼にあるのだろうか、とAは考え込む。
ひょっとして彼にそれらの知識を授けた何者かがいるのかもしれないと思いつつ、Aは物見小屋だと思っていたクロムの家を見上げた。
周囲に寺小屋や人に対して何かを教えていた痕跡は見られない。
ということはこれは彼の独自調査によるものかもしれない。
最後Aが周辺を探りながら思案しているうちに、千空はクロムの宝物をゲットした上にそこを住処にすらしてしまった。
「全く白昼堂々と乗り込んで、ここを泥棒よろしく占拠するなんてね。」
「あ？でもてめえには拠点が必要だろうが、おい、クロム、少し手伝え。」
「何をだ？」
「いいから日が暮れる前にやっちまうぞ。悪いがコハクも手を貸してくれるか？」
「あいわかった、金狼、銀狼やるぞ。」
「ええ？なんで俺たちが余所者の手伝いなんか。」
「いいから、やれ。」
コハクの気力に負けて動き出した彼らに、呆然と見ていたAだがハッとしたように動いた。
これは間違いなく自分が主導で動かなければならないものだ。
「まず必要なのは半径1m半の穴を掘ること。
それから中央に柱を立てて、その上に雨傘のように藁を被せれば簡易的ではあるけれど、竪穴式住居の完成ね。」
「たて、あな？なんだって？」
「なんでもないわ、とりあえずやりましょう。」
計測における単位はわからなさそうだったので、とりあえずAは人間の歩幅が大体60cmだということを説明してから、一緒に作業に取り掛かった。
六人係でやれば小さなそれはあっという間に出来上がってしまった。
「悪いな、これからここに女もいるんだ、俺たちと同じ部屋じゃ、まずいだろ。
少なくともおありがてえことに、本人もこれで満足している。」
「必ずお礼をさせて、3700年前の知識を持って君達にお礼をするから。」
にこっと微笑んだAに期待してるぞ、と嬉しそうに頷いたのはコハクだけで、他の男どもは満身創痍だった。
当たり前だ、動力源として非力なAや千空以上に働いてくれたのだから。
Aは嬉しそうに微笑んでから、よしとと言って力瘤を作った。
村に帰ってしまった三人や、千空に占領されてしまった自分の部屋へ泣く泣く戻るクロムを見送った二人。
「明日、行くのか？」
「ええ早速ね。」
そう二人は端的に言葉だけを交わした。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、そう言っていただけるのがとても嬉しいです。 世界観に入り込めるというのは、多分夢小説を描く人誰もが描く人誰もが欲しい言葉だと思います。これからもみていただけるように、精進しますね。いつもありがとうございます。 (2021年4月28日 8時) (
レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。以前から感じていた事があります。それは、世界観に本当に入ったような気持ちで、夢小説を読めれる魅力があるイライザさんの小説には、あると思います。夢主が、研究者的なキャラで好みでした。 (2021年4月28日 6時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年4月27日 23時
