009 S級クエスト編 ページ9
「…S級クエストを、ですか？」
Aは目の前のマカロフの言うことが信じられずにいた。
たしかにAはS級クエストを受ける資格があるが、それでも長い間普通の仕事で通してきたのは彼女なりの目的があったからだ。
それもマカロフは承知のはず。
だが彼は一刻の猶予もないと言うように首を振った。
「すまないが、頼まれてくれないか？
緊急なのだ。」
ギルドの長にそう言われてしまってはAもひくに引けない。
「マスターマカロフのためとあらば。」
そう告げて、彼女は静かに首を垂れた。
ルーシィはひとつ仕事を終え、フェアリーテイルの看板娘であるミラジェーンと談笑をしていた。
少し険しい表情をしたままのAが二階から降りてきたことで、ルーシィはふと感じていた疑問を口にした。
「Aさん、」
「あら、Aが二階に行くなんて珍しい。」
「え？二階って何があるんですか？」
ミラの言葉に食いついたルーシィにミラは微笑んだ。
「二階には普通にはないリクエストボードがあるの。
そこには一瞬の判断が命取りになるようなクエストだらけ。
S級クエストなんて本当はやるものでもないんだけど…
Aは引き受けちゃったみたいね。
彼女、押しに弱いから。」
あとマスターにも。
そう付け足したまま微笑んだミラに、ふーんとルーシィは答えた。
ギルドから出て行くその背に、ルーシィは静かに目を見開いた。
「ミラさん、Aさんの背中の紋章…」
「ああ、気がついた？
彼女のフェアリーテイルの紋章よ。」
そう言ってミラは静かに微笑んだ。
ナツたちが、勝手に、S級クエストに向かっている中、Aは郊外のある場所に来ていた。
眼前だらけのその場所は、人が踏み込むにはあまりにも険しすぎる環境だ。
「全く、宿なんて期待しないほうがいいわね。」
そう言いながら、ハイヒールで地面の岩を蹴り上げた彼女は、軽やかに岸壁を登っていく。
目的地まであと少しと言う時だった、
不意に何かがほおをかすめ、Aは反射的にそれを避けた。
避けたそれは、背後の岸壁にめり込み、がんっと凄まじい音をたてて崩れ去っていく。
「…」
黙って前を見るものの、攻撃してきた対象はどこにもいない。
Aは眉をひそめながら、すっと地面に耳をつけた。
立ち去る音もしない。
何か罠の気配もない。
だがたしかに何かがあるそれに、Aはざわざわと嫌な予感がして仕方がなかった。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» 楽園の塔で話ですね、残念ですがここではカットしちゃってるんです。でも私もあのシーンはいまだに覚えています。エルザとジェラールの今後の関係で、決して外してはならない場面ですよね。 (2020年1月1日 17時) (
レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - で「強くなったなエルザ」と海風に吹かれてセリフが聞こえて来る場面と振り返った時にエルザの睨みつけ場面も印象に残っています。 (2019年12月31日 21時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 公式テレビ局が配信しているフェアリーテイルで、今の段階で感動した話は青髪の男とエルザが戦っていた話です。エルザが生贄的な状態で、氷の水に入れられそうになった時にナツが登場し救う場面で涙袋破壊しました。戦い後にエルザが海で仲間達と今後の事を話している所 (2019年12月31日 21時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます、まだまだ未熟ですし、更新頻度も極端でいつも申し訳ないと思ってます。こちらこそ貴方のような素敵な読者様に敢えて光栄です。 (2019年12月27日 16時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» 再配信、もう始まってたんですね。公式テレビ局がYoutubeで流していたのをみて、私も再熱しました。フレアは大好きですが最後の最後まで疑っていたので、フレアには申し訳ないです… (2019年12月27日 16時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年12月19日 23時
