123 アズカバン ページ30
いくら忘れられた存在だからと言っても、それは生きているもの限定の話。
ゴーストや絵の中の紳士淑女までは騙せないらしい厄介な記憶操作は、Aの未熟さを物語っている。
こくんと最後の一滴が喉を通り越した時、目の前に現れたその人に、Aは度肝を抜かれた。
「、あ、貴方は…」
「ようやく見つけた、アルフ先輩から頼まれたんだ。
来い、一緒に寝るぞ。」
至極当然のように手を引かれたAはいろんな意味で目を白黒させた。
まるで流れるように、記憶がある頃のAを相手にしているかのようだからだ。
「(まさか記憶が…)」
不安げに眉をひそめたのと、ドラコが振り返ったのは同時だった。
「なんだそんな不安そうな顔で。
大丈夫だ、僕はお前なんか興味ない。」
と物の見事に一蹴される始末。
そうでしたか、と小さな声で返したAに、さっさと寝ろと残して一人寝袋に収まったドラコ。
暗闇の中一人立っているわけにもいかなかったAは、仕方ないと言いたげにため息をつき、ドラコに背を向けるようにして眠りについた。
「ねえ、なにそれ。」
子供特有の高い声が辺りに響いた
小麦に近いアッシュブロンドに、長めの前髪から覗くのは淡いブルーの瞳で少女は小さく笑った
「これ〜？これはね、だいじなお守り。」
「おまもり？」
「そうこれがないと、わたし、しょうらい、りっぱなまじょになれないんだって、」
舌ったらずな口でそれを言葉にするには、彼女はあまりにも幼くて…
「あ、でもだれにもいわないでね…、たいせつな、たいせつなお守りだから…」
ひみつだよ、と囁いた＿＿＿
「…秘密…」
いつの間にか口からこぼれていたその言葉に、ドラコは自分で目が覚めてしまった。
「(なんか懐かしい感じがしたな…)」
窓からは微妙だが朝日が差し込んでいる。
なんとも奇妙な時間に起きてしまったものだと、何気なく振り返ると…
「え…、」
瞬間ドラコは、時間が止まったように感じた。
朝日に輝くのは美しいプラチナがかったアッシュブロンド、人形のような端正な顔立ちがそこにある。
息を飲むのさえ忘れていたドラコは思わず、その柔らかな毛先に触れるとあっけなく指先をすり抜けた。
夢の中を思わせる少女だがたった一つ違うのは、淡いブルーの瞳だけ。
「目を、覚まさないだろうか…」
眠っている彼女の耳元に囁いたドラコは、再び襲ってきた睡魔にその意識を手放した。
眠り姫が起きる、わずか数秒前のことだった。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
