113 アズカバン ページ20
ばあんっと荒々しく開かれた医務室の扉。
片腕をやられたドラコの口元に、スプーンを押し付けるところだったパンジー・パーキンソンは思わず手の中のものを落としてしまった。
一方、突然の来訪者にドラコが扉の方を振り返り、Aの必死の形相とかち合った。
「…ドラコ、」
掠れるような声で彼の名前を呼んだA。
だが一方の彼はいぶかしむように眉をひそめるだけ。
Aは顔を真っ青にさせながらも、足取りは揺らぐことなく彼の元に歩み寄った。
「ちょっとなんなのよ、貴女こんな時間に来るなんて非常識だとは思わないの？」
全くもってど正論をかましたパンジーだが 、Aは目もくれずに少女を後方に押しやった。
一方ベッドに身体を起こした状態で看病を受けていたドラコ。
だが自分を睨みつけるように近づいて来る彼女から、視線をそらすことも、ましてや逃げることもできずにそこに縫い取られたように固まっていた。
「…ドラコ。」
今度はしっかりと、きちんと届くように彼の名前を呼んだA。
祈りでも捧げるような痛切な声にドラコは一瞬、灰色の瞳が揺らいだが、やがて…
「君、誰？」
といつもの調子で上から下まで丹念に見渡して、ずばりと告げた。
予想はしていても知りたくなかった現実を前にAは崩れ落ちたい気分だった。
だが今、Aとドラコは全くの他人。
こんなところで泣き崩れても困るのは彼の方だ。
「っ、」
悔しさと焦燥にも似た思いに駆られたA。
なけなしの理性を奮い起こした後、俯きかけていた顔を思い切りよくあげ、
「いきなり名前で呼んですみません、腕を怪我されたと聞いたのでお見舞いに伺いました。」
にこりと精一杯の作り笑いと、知りうる限りの愛想のいい言葉を並べ立てたAに、途端に気分良く笑ったドラコ。
「そうか、わざわざこの僕を見舞いに来るとは健気な奴だな。」
と伸びてもいない鼻の下を伸ばす有様。
変わらない幼馴染の対応に辟易したAが、失礼しますと半ば放心状態で立ち去ろうとした時だ。
「まだ君の名前を聞いていない。」
と呼び止めたドラコ。
どうせ覚えていないのならと、やけになったAが振り返ると…
「マロニエ嬢じゃよ、ドラコ。」
と老人の笑い声が辺りに響いた、見ればいつの間にか案の背後に立っていたその人。
放心している三人を他所に、ダンブルドアはゆっくりとAの方を引き寄せ、
「少しお話をしようマロニエ嬢。」
そう、嬉しそうに微笑んだ。
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アサノ(プロフ) - ああ、それでしたら、hp2018で開きますよ。分かりにくかったらすみません。 (2018年4月4日 22時) (
レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - branding and Loveという小説の全てにパスワードがかかっていて… (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - マイボードの方に来ていただければ分かりますが、どの作品でしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: 35d7b1e41a (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - アサノさんの作品でパスワードを入力しなくては見れない作品があるのですが、パスワードは教えてもらえるのでしょうか？ (2018年4月4日 21時) (レス) id: f5c10c9f75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月28日 15時
