39 秘密 ページ45
四人が立ち去ろうとする去り際に、ダンブルドアはコツコツと歩み寄り、廊下の影に四人を呼び寄せて、ニコリと笑った。
「A。」
「はい。」
「ローブの中のものを出してご覧。」
「え、でも、」
チラリとマクゴナガル先生を見たAは、おずおずと言った調子で、甘い匂いがするびしょびしょの袋を三つ差し出した。
三人の目が見開く。
「ほうこれはまた盛大に、
ほれ、」
パチンと指一つ鳴らせばムクムクと水気を弾き飛ばし、
フンワリと柔らかいシフォンの匂いが漂い、
ドロドロで溶けかかった甘い砂糖菓子は元どおり、
チョコレートの包みも塵一つなく、きれいになった。
「「「わあ、」」」
「ほれ、早く行きなさい。」
にこりと笑った白髪の老人。
Aは嬉しいやら恥ずかしいやらで顔が百面相になるが、すぐに元に戻した。
道すがらピーブス達に見つからないように慎重に、お菓子を食べているロンとハリーを見つめ、Aは苦笑した。
「本当に何も持っていなかったのね。」
「A、モグ、お菓子をとっておいてくれたのは嬉しいけど、ング、せめて最初に、モグ、何か言ってよ。」
「分かったから、とにかく食べたら？」
苦笑するAに、それもそうだね！といい笑顔で返したロンは、甘い香りのシフォンをがっつり口に頬張る。
傍のハリーは口をプクッと膨らませ、後ろのAに振り返る。
「でもA、ありがとう。
君があそこで助けてくれなかったら、 僕ら延々とあそこで拘束されてたよ。」
「でもAさ、弁護するなら弁護してよ。
君の言い方、なんか僕らを犯人だった時の言い方だったぜ。」
「ロン、逆よ逆。
Aは友達としてじゃなくて、私たちの無実を証明してくれる立場から、言ってくれたのよ。
でしょA！」
同意を求めると同時に、振り返ったハーマイオニーのお腹がぐうとなったものだから、Aはうっかり笑ってしまった。
「はいチョコレートならきっと大丈夫よ。
それとロンちょっとこぼし過ぎ。」
「A、君なんだか僕のママみたいだ。」
「失礼ね。」
ニヤッと笑っている頬ぼくろパンパンのロンにAはムッとした顔になり、すぐにハッと気がついたような顔になる。
「ああそれと聞いておきたかったけど、どうしてまたあの階にいたの？
晩餐の会場から談話室に戻ろうとすると、遠回りになるわよ。」
この何げない一言で、三人が盛大に吹いたのだから、Aは今まで一番驚いたのは言うまでもない。
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レモン(プロフ) - 秘密の部屋のところで夢主が3人を弁護するのが探偵やプロの弁護人のようで面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ♪家♪さん» すみません、誤字脱字についてはいけない一斉に直させていただきます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 確かに変ですね。ご指摘ありがとうございます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月27日 19時
