16 賢者 ページ21
魔女として生まれた為、今更呪いだの、魔法だのは怖くなかったが、宛先名が”グリフォンドールの談話室に佇む孤高の姫君へ”、なんて気障過ぎる。
いや、キザだけならまだいいが正体を名乗らないのはもっと気味が悪かった。
「…、」
心を決めたようにそっと便箋をあけたA。
すると出て来たのは一枚のメッセージカードのみ、書かれていた文字は几帳面な小さな字で一言。
「地獄の番犬にご注意を…………はあ？」
地獄の番犬、と聞いてAの脳裏に即座に浮かび上がるのがギリシャ神話に登場し、冥府の神ハーデスの飼い犬である。
一般的には、冥府の番犬とも言われている三頭犬のケルベロスは、英国で言うサーベラスの事を指している。
つまりそのケルベロスを注視しろと、忠告されると言う事は、少なからず”死”というワードが関係しているらしい。
全く以て意味の分からない書状を裏表見返したAは、盛大に溜め息を吐き、気味の悪いの手紙をサッと炎の中に投げ入れる、が。
「え。」
一切燃える事のないその手紙は、何か特殊な魔法でも掛けてあったのか、赤い薔薇が一つ、手紙の端に小さく浮かび上がる。
燃やすなら、と思い立ったAはその手紙をびりびりに引きちぎるが、
「えっ」
ちぎった先からもとの姿に戻ってしまう為、全く効果がなく、Aはうなだれた。
困るが燃えない手紙を誰かに見られでもしたら困るので、Aは仕方なくその手紙をローブのポケットに突っ込んだ。
「(何も起きませんように。)」
不吉な手紙をもらったAは朝から目眩に駆られた。
ーーー
そして事件は意外にもすぐ起きた。
それは夕食の時、ハロウィンの最中浮かれている連中に混じってAの機嫌は底辺だった。
ハーマイオニーと仲良くなれない上に、ロンとまで言い争いをしたのだ。
同じテーブルにつくだけ無駄だと思ったAは、大広間を前にして談話室に引き返そうとするが、ぐいっとその手を誰かに掴まれた。
「誰、ってドラコじゃない。」
「僕で悪かったな。」
むすっとした顔のドラコは、やや青ざめているAの顔を見て盛大に溜め息を吐いた。
「まだグレンジャー達と仲直りしてないのか？」
「え、どうしてそれを、」
「何年の付き合いだと思ってるんだ。
ほらこっちにこい。」
言うが早いかAの手を取って歩き出したドラコにAは苦笑した。
「(貴女のその不器用な所嫌いじゃないわ。)」
握られた手を握り変えそうとすると、
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レモン(プロフ) - 秘密の部屋のところで夢主が3人を弁護するのが探偵やプロの弁護人のようで面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (
レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 0af6fdad08 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして面白かったです！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - ♪家♪さん» すみません、誤字脱字についてはいけない一斉に直させていただきます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
アサノ(プロフ) - 妖狐の巴衛さん» 確かに変ですね。ご指摘ありがとうございます。 (2018年1月16日 16時) (レス) id: 989e1d3217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサノ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月27日 19時
