*Iris2* *K* (ページ33)

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°･63.｡*終ページ33

･

和也がふっと笑ってあたしを見た

｢でも･･あたし別に何もしてない

珈琲を運んだだけだよ｣

和｢きっと、何か感じとったんだろうな(笑)

だから･･･結婚まで考えたんだ｣

そう言いながらあたしのネックレスを外して

指輪をつまんで内側を見た

和｢A･･･ごめんな、忘れてて｣

どうして･･そんな事言うの？

和也のせいじゃないよ

涙のせいで和也が歪む

和｢正直、今も思い出せないけど

忘れても何度でもAに恋するんだと思う

もうこうなったら本能だよね(笑)｣

和也の指があたしの頬をなぞって涙を拭う

･

それからのあたし達は話ながらどんどん心も体も近づいた

あたしは思い出をなぞり

和也は一緒にいた時間をやり直したんだと思う

和｢A｣

｢･･はい｣

和｢結婚、しよう｣

またその言葉が聞けると思わなくて

こんな日がくるとは思わなくて

あたしは絶望したあの日からずっと孤独で

和也といた時に幸せは一生分貰ったから･･

だから仕方ないんだって人生を諦めてた

けど

あたし幸せになってもいいの？

和也がはめてくれた指輪を右手で撫でて

ギュッと和也に抱きついて

あの時と同じように返事をした

｢幸せになろうね｣

*終*