【名探偵コナン】東大生、奮闘してるってさ。4

▼mission161 ページ21

*







「しかし流石にこの財布だけは持ち主が分からんかったか………………」






苦い顔をした目暮警部が呟いた。



黒兵衛を殺したのは財布をスられた被害者の誰かである。


スリは大抵スった財布からお金だけを抜き、財布そのものは捨てることから神社内のゴミ箱から子供たちが回収した財布を調べ、そこから犯人を割り出すことになった。


5つ見つかったうちの一つはジョディ先生の財布、残りの3つも先ほど偶然会った3人のものだと推測されたことから今高木刑事と子供たちが彼らを探しに行っているのだが。




残りの1つだけが分からない。




財布に入っているのは名前の書かれていないポイントカードが1枚だけ、その店を見るとオレたちの近所に住んでいる人という推理だけが出来る。





ただ1つ気になるのは、






「どう？クールキッド、その財布の持ち主は分かりそうかしら」

「うーん……どこかで見たことあるような財布ではあるんだけど………………」






オレがこの財布に見覚えがあるということ。


どこで見たか、思い出せ、思い出せ。




考え込んでいると、目暮警部に一人の警察官が駆け寄ってきた。






「警部、たった今財布を落としたという問い合わせがあったのですが」

「何？落としたという財布の特徴は」






ハッとそちらを向いて耳を傾ければ、その警察官は目の前にある財布と全く同じ特徴を挙げていく。





「そして財布の中にはポイントカードが一枚入っているはずだと」

「…………決まりだな」






その人物をここに連れてくるように、と指示した目暮警部に敬礼し、警察官は走っていった。



それを見送って目暮警部が口を開く。





「その4人の中の誰かが30cmぐらいの棒を所持していたら決まりなんだが…………」

「それを持ってなくてもすぐに分かると思うよ？」

「え？どういうことかねコナンくん」





遺体の横には黒い五円玉が3枚、こんな独特なものをそう簡単に用意できるはずがない。






「そうか！その4人の中で黒兵衛に入れられたはずの黒い五円玉を、持ってない人が犯人って訳ね？」





その意図をすぐに読み取ったジョディ先生のウインクに、オレはニヤリと笑って答えた。






「そういうこと！」





*

▼mission162→←▽mission160

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す