▽mission124 ページ30
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最高の休日である。
学校は休み、課題は終わった、バイトも休み、しかもいい天気。
珍しく早起きもできたしコナンくんの疑いも(恐らく)晴れた。
最ッ高の休日である。
折角だし散髪でも行こうと突然行った美容室でも待ち時間なしで入れたし、偶然見つけたカフェのランチプレートがとても美味しかった。
「ヤバ…………今日は最高だな…………今から何しよう………………」
軽い足取りでルンルン歩いていれば塀の上に猫を見つける。
「あらぁ〜〜〜〜ネコチャンじゃないの〜〜〜〜こんなお天気な日はお散歩したくなっちゃうよね分かる分かる〜〜〜〜〜……って大尉じゃん、今からポアロ行くの?」
「ニャオン」
「あらそなの〜〜〜〜いいわね〜〜〜〜〜〜〜」
「ニャア」
周りに人がいないのをいいことにウキウキで話しかけに行くと、見知った猫だった。
彼は猫の大尉。もちろん大尉はあだ名だがとても強そうでめちゃくちゃいいと思う。
最近ポアロに餌をねだりに来るようになった三毛猫で、梓さんとのツーショットがめちゃくちゃ可愛い。
今私の待ち受け画面は梓さんと大尉だ。
梓さんほどではないが私にも多少慣れてくれている大尉をデレデレしながら撫でていると、首輪に何かが挟まっているのに気付いた。
「どしたの大尉、どこでこんなの拾って………アッ」
少しひんやりとした白い紙の正体はレシート。
レシートの文字はところどころ消されていて、
「こ、コナンくん達大ピーンチ…………」
それは今コナンくんを始めとする少年探偵団が危機的状態にあることを示していた。
確かこれは冷凍車に閉じ込められた子ども達を助けるためにコナンくんが安室さんに向けた暗号で、これが安室さんに届かないことには子ども達が凍死してしまう。
暗号の意味はなんとなく覚えているが、生憎私に宅配便を追う手段はない。
確か安室さんも車で追いかけていたはずで、そもそも私が子ども達を助けに行っても凍死体がひとつ増えるだけだろう。
つまり私が持ってていいもんじゃねえ、と今からポアロに向かうであろう大尉の首輪にお届けものを返そうとすれば猫とは気まぐれなもので。
さっきまで大人しく撫でられていた大尉は急にぷいっと顔を背けて塀の向こうに消えてしまった。
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Skyでツンニキになりたい雀 - ミステリアスでアダルティックな感じの男の人を観賞用としてみる夢主ちゃんちゅき。 (2021年10月29日 23時) (レス) @page3 id: 11ee266d0f (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - シリアル増し増しでめちゃくちゃ面白いです! (2021年7月13日 15時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年7月25日 15時) (レス) id: 0b8d839863 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - トッケビ通じますわ辛い、、、((( (2019年7月21日 19時) (レス) id: a83a008361 (このIDを非表示/違反報告)
natsukomizumura(プロフ) - 超すきです!応援してます! (2019年6月17日 7時) (レス) id: 2c9aa8af7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年5月3日 14時