▼mission122 ページ28
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「せや、蘭ちゃん!!」
「どうしたの、和葉ちゃん?」
平次や和葉ちゃんを送っていった駅で、新幹線に乗る直前に和葉ちゃんが思い出したように声を上げた。
並んで話していたオレと服部は何事か、と顔を見合わせる。
「これ、アタシのメールアドレスなんやけど」
「あれ?私和葉ちゃんのメールアドレス知ってたと思うんだけど……ケータイ変えたの?」
「ちゃうちゃう、変えてへんよ〜!え〜とな、蘭ちゃん家の下の喫茶店におる関西出身のお姉さんに渡しといて欲しいねん!」
和葉ちゃんがメモをヒラヒラさせながら言ったその言葉にハッと身体を強張らせる。
先ほどまでいた屋敷での事件に集中するあまり、もうひとつの重要なことを忘れていた。
二人の会話に思い出したような声を上げるのは服部だ。
「ああ、あの山崎Aとかいうねえちゃんか?」
「そうそう!結局あの喫茶店にも遊びに行かれへんかったし……」
そう言いながら差し出された紙片を受け取った蘭が笑顔で頷く。
「分かった、Aさんに渡しておくね!」
「おおきに、蘭ちゃん!」
新幹線出発まであと少し、最後のお喋りを始めた女子二人を横目に服部の袖をちょちょいと引く。
なんやねん、と首を傾げた服部が目線をオレに合わせて屈んだ。
「なあ服部、Aさんと知り合いなのか?」
「ん?いや工藤んとこ行く直前に喫茶店の前で会ってな、俺らの関西弁が懐かしいみたいやったからちょっと話したくらいやわ。……なんや、あのねえちゃんなんかあるんか?」
「いや…………」
何か関わりがあるのなら情報の鍵でもないか、と思ったが特にそういうわけでもなさそうで、服部には怪訝な顔をされる。
とはいえAさんへの疑いを逐一こいつに言う時間もないので手短に彼女のことを教えることにした。
「まあなんつーかAさん、……オレの正体知ってんだよな…………」
「はぁ!?工藤のか!?!!…………何モンなんや、そのねえちゃん」
「それが全然分かんねーんだよ……」
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Skyでツンニキになりたい雀 - ミステリアスでアダルティックな感じの男の人を観賞用としてみる夢主ちゃんちゅき。 (2021年10月29日 23時) (レス) @page3 id: 11ee266d0f (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - シリアル増し増しでめちゃくちゃ面白いです! (2021年7月13日 15時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年7月25日 15時) (レス) id: 0b8d839863 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - トッケビ通じますわ辛い、、、((( (2019年7月21日 19時) (レス) id: a83a008361 (このIDを非表示/違反報告)
natsukomizumura(プロフ) - 超すきです!応援してます! (2019年6月17日 7時) (レス) id: 2c9aa8af7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年5月3日 14時