▽mission129 ページ35
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意外にも一番最初に飛び出したのは感謝の言葉で、確かにコナンくんがここにいるということは少年少女が助かったことを意味するのに今気付いた。
とはいえ私はあの事件について何も知らない設定なので首を傾げて見せる。
それを見たコナンくんが少し笑って実はね、と事件の詳細を教えてくれた。
「そっか…………大変だったね」
「うん、大変だった」
「でも助かってよかった」
「うん、……ありがと」
初めて聞いたかのように、けれど皆が無事だったことに心底ほっとする。
コナンくんのことだから何か追及されるのかと思ったがそういう訳でもなさそうで、少しの間私たちは黙ってポテトをつまんだ。
LLサイズのポテトが3分の1くらい減り、互いのジュースが半分くらいになったところでまたコナンくんが口を開く。
「……あとね、Aさん」
「な〜に、どしたの」
「疑ってごめんなさい」
コナンくんが頭を下げた。
その素直な様子に私は思わずポテトを落とす。
「うぉ、うぉっふ……????」
「沖矢さんさんから色々聞いたよ、……だから、ごめんなさい」
「し、信じていいの……???」
「疑われたいの?」
「滅相もねえ」
思わずポロっと溢れた本音にすかさず反応され、慌てて両手をブンブンふる。
そんな怖いポジション一瞬だっていたくねえや。
「でも聞きたいことは山ほどあるから覚悟してね!!!」
「手のひら返し早くない?」
「手のひらは返してないよ!!!」
「元気いっぱい言わないで欲しい」
さっきまでのしおらしい仕草から一変、瞬時に好奇心旺盛な探偵さんに戻ったコナンくん。
ジュースのカップを横に退け、わざわざ身を乗り出してくる。
「ねえ、安室さんの正体を知ってたって本当?いつから?ベルモットをやり過ごしたのも?どうやったの?」
「ただでさえあんまり答えたくない質問を連続でしないで欲しい」
「じゃあまず安室さんの話!」
周囲には聞こえない小さな声で、それでいて勢いを感じられる質問に私は苦笑いする。
「いつからってのは内緒だけど、パンケーキ屋さんの時にはもう知ってた」
「ウッソだろ……」
「マジマジ、大マジ」
「知ってて行ったのかよ…………」
「わはは」
「笑い事じゃねえ………………」
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Skyでツンニキになりたい雀 - ミステリアスでアダルティックな感じの男の人を観賞用としてみる夢主ちゃんちゅき。 (2021年10月29日 23時) (レス) @page3 id: 11ee266d0f (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - シリアル増し増しでめちゃくちゃ面白いです! (2021年7月13日 15時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年7月25日 15時) (レス) id: 0b8d839863 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - トッケビ通じますわ辛い、、、((( (2019年7月21日 19時) (レス) id: a83a008361 (このIDを非表示/違反報告)
natsukomizumura(プロフ) - 超すきです!応援してます! (2019年6月17日 7時) (レス) id: 2c9aa8af7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年5月3日 14時