▽mission4 ページ5
*
何もおかしなことはなかった。
もしバイト先のカフェにコナンくん関係者がいらっしゃれば私は所用の腹痛で途中退勤していたはずなのだ。
つまりこのカフェにコナンくん関係者が来ることはなかった。
客がはけたためバイト仲間がコーヒー豆を取りに奥のパントリーに向かい、私は皿洗いを始める。
無心で皿を洗うのは結構楽しい。
カチャカチャ音を立てながら皿を洗っていれば突如背後から女の子の絶叫が聞こえたのだ。
「えっなにゴキですか！？」
割らないように皿を置き、泡だらけの手をさっと流して奥のドアを開ける。
「や、やだ、なんでこんな、オーナー、」
そこには涙を浮かべ口を押さえてへたり込んだバイト仲間と、
「う、うそやん………………」
頭から血を流して倒れるオーナーの姿と、
「ねえ、何かあったの！？！」
扉を開けて入ってくるコナンくん。
入り口は背後だがそりゃあもう声で分かる。
呆然と振り向けば目の前にいるのはコナンくん、そして声を上げなかったため存在が分からなかった沖矢昴。
やめて。心底やめて。
「ねえお兄さん、何が……、何！！？」
カウンター席に乗り上げ私に問い掛けようとしたコナンくんがすぐさま私の背後に目をやり、あっという間にテーブルを越えオーナーに駆け寄る。
死体検分を始めたコナンくんを呆然と眺めているとこれまた勝手にカウンターの中に入った沖矢昴が携帯を取り出した。
「警察に連絡しても？」
開いてるんだか開いてないんだかよく分からんあの目で見下ろされヒッと息を呑む。
「オッお願いします……」
きゅ、救急車は……と裏返った声で問えば流血の量や血液の凝固を理由に恐らく既に、と言葉を濁された。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「名探偵コナン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Sun._raise(プロフ) - やばい、ハマった (2022年2月1日 0時) (
レス) @page49 id: 276bbde748 (このIDを非表示/違反報告)
どぅわああああ - mission47、主人公と博士は夜想曲の帰りのスバルさんに乗っているので初めましてではないですね。とても面白いので続編以降も楽しみです。 (2021年7月14日 1時) (レス) id: 04b80a02c7 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！ (2021年7月13日 13時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 自転車事故のくだりめっちゃ爆笑しました！この作品大好きです！ (2021年4月25日 22時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
よる - まだ設定しか見てないけど名前入れたら本名になって驚き��(ﾟДﾟ) (2020年4月22日 23時) (レス) id: c5f0e73031 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：斗
| 作成日時：2019年4月13日 23時
