▽mission21 ページ22
*
あれから数日が経った。
どうしたもんかとビクビクしながら学校に通い、ポアロに働きに行き、なんだかんだ私は無事に毎日を過ごしている。
でもそれからコナンくんにも沖矢さんにも会ってないのは怖すぎる。なんで？コナンくんに至ってはポアロのガラス越しにチラッとこっち見ては探偵事務所に帰って行ったりするの怖すぎて無理。
皿を洗いながらふう、と息を吐くと食器を仕舞っていた安室さんがこちらを向いた。
「おやAさん、悩み事ですか？」
「安室さん」
「僕で良ければ聞きますよ？」
「安室さんはおいくつで？」
「それが悩み事ですか？？？」
なんせマスターを除けば3人しかいない店員なのだ。梓さんや安室さんとも随分打ち解けた、と思う。
でもこれ素じゃないの怖すぎでしょ。
「それにしてもAさん、早くもポアロの名物店員の仲間入りを果たしたのは流石ですね」
「あ、あはは」
「東都大学文学部の草食系エリートイケメン！そう評判になっているみたいですよ」
「それでいいのか現代女子」
「まあ僕なんかがもてはやされるくらいですから」
「安室さんは正真正銘イケメンでしょうよ」
そう。
ビクビクしているのを隠すためにしていた演技混じりの少女漫画風接客が女性中心にウケてしまったのだ。
少女漫画風といっても女性に優しく、それでいて照れ屋風に振舞ってみたりしただけなのだが。
元々ポアロには安室さん目当ての若い女性が多いため、新入り女性店員だった私は若干敵視されていたのもある。
とはいえ少し長めのショートカットに中性的な雰囲気イケメンを目指した格好に加え、大人しい感じが逆に良かったらしい。
それでいいのか現代女子。
「あ、安室さん今日そろそろ上がりですよね」
「はい！そうだ、僕毛利先生にサンドイッチの差し入れしてくるのであとお願いしてもいいですか？」
「はーいお疲れ様でした！」
「サンドイッチ代のお会計しておきますね」
「まいどあり〜〜」
サンドイッチのセルフお会計を始めた安室さんをぼーっと眺めながら最後の皿を洗って泡を流す。
察するに、恐らくまだ安室さんは毛利小五郎の弟子になったばかりで何の疑いもかかっていない時期。
そして私は多分、梓さんと同等のポジに収まることに大方成功した。多分死なないはず。多分。
一人残された店内で大きく息を吐く。
うん、頑張って現状を維持せねば。
*
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Sun._raise(プロフ) - やばい、ハマった (2022年2月1日 0時) (
レス) @page49 id: 276bbde748 (このIDを非表示/違反報告)
どぅわああああ - mission47、主人公と博士は夜想曲の帰りのスバルさんに乗っているので初めましてではないですね。とても面白いので続編以降も楽しみです。 (2021年7月14日 1時) (レス) id: 04b80a02c7 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！ (2021年7月13日 13時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 自転車事故のくだりめっちゃ爆笑しました！この作品大好きです！ (2021年4月25日 22時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
よる - まだ設定しか見てないけど名前入れたら本名になって驚き��(ﾟДﾟ) (2020年4月22日 23時) (レス) id: c5f0e73031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斗
| 作成日時：2019年4月13日 23時
