▽mission37 ページ38
*
「……ホォ、取引ですか」
隙のない無表情で沖矢さんがこちらを見る。
「これを受け入れてくれるならここで私の口を封じてしまおうと構いません。……まあ始末してしまえば少々やっかいなことにはなりますが」
「…………」
「それに加え、私に手を出さないと言うのなら、私はひとつの秘密を守ります。どうです、悪い話じゃないでしょう」
精一杯悪そうな顔をして、唇の前で人差し指を立てる。
「ねえAさん？」
「なあに、コナンくん」
「悪い話じゃないかはどうかは要求、それに秘密を教えてくれないと分からないよ？」
「まあそうだよねえ〜〜」
ごもっともな指摘が入って苦笑する。
まあ分かってはいるんだけどさ、ポエミーな方が悪役っぽいじゃん？悪役じゃないけどさ。
「ではまず要求の方を」
人差し指を沖矢さんの方に向ける。
二人は返事をせずにこちらを伺っていて正直めちゃくちゃ怖い。
「私を除く、私の家族の安全を保障すること。……いや、保障は無理だとしても彼らの日常が壊れないよう少しだけ注意して頂けるならそれで」
二人が少しだけ驚いた顔をする。
張り詰めていた空気が拍子抜けしたように緩んだ。
「君の家族の安全を？」
「このことについて家族は全く知りません。知っているのは私だけ。いや私も知ってちゃおかしいのは重々承知なんですけどね」
「家族は関係ないから手を出すなってこと？」
「コナンくん達が手を出すとは思ってないよ」
矢継ぎ早に投げられた疑問に答えれば、沖矢さんがそういうことかと呟く。
続けて私は人差し指を自分に向けた。
「それじゃ、さっき要求したことを呑んでくれるなら私が守る秘密の方を」
僅かな間緩んだ空気がまた張り詰める。
さて、ここまでこれば一か八か。
「ライの横に並べた名前、諸星大と赤井秀一。私はそこに三つ目の名前を書き足しましょう」
二人の警戒がマックスを超えたのを肌で感じる。
ああ、なんだこの敵意に満ちた空気、堪んないなあ。
ヒリつくような空気に心臓が震えるのを感じた。
「東都大学大学院生 沖矢昴、と」
*
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Sun._raise(プロフ) - やばい、ハマった (2022年2月1日 0時) (
レス) @page49 id: 276bbde748 (このIDを非表示/違反報告)
どぅわああああ - mission47、主人公と博士は夜想曲の帰りのスバルさんに乗っているので初めましてではないですね。とても面白いので続編以降も楽しみです。 (2021年7月14日 1時) (レス) id: 04b80a02c7 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！ (2021年7月13日 13時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 自転車事故のくだりめっちゃ爆笑しました！この作品大好きです！ (2021年4月25日 22時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
よる - まだ設定しか見てないけど名前入れたら本名になって驚き��(ﾟДﾟ) (2020年4月22日 23時) (レス) id: c5f0e73031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斗
| 作成日時：2019年4月13日 23時
