▼mission17 ページ18
*
同じ日の夜。
特にAさんがボロを出したわけでもなく、ただ平穏無事に勤務を終え帰っていったAさんを毛利探偵事務所の窓際から見送った。
家に着いたであろう時間帯を見計らって盗聴器のイヤホンを起動する。
今日までの数日間、何回か盗聴をしているもののこれといった成果はない。
強いて言うなら独り言がデカくてよく歌う。
諦め半分、ラジオ気分半分で成果がなければそろそろやめるべきかとも考えていると最近お決まりの鼻歌が聞こえ始めた。
ただのちょっと変わってるだけの学生なんだろうか、と半ば諦めているとゴソゴソと紙を広げるような音がした。
『……梓さんのパスタ美味しかったなあ〜安室さんのハムサンドもやっぱ食べてみたいけど美女のスマイルって最高のスパイスよなあ〜いやあ眼福眼福』
梓さんのパスタは確かに美味しい。
なるほどAさんはイケメンより美女が好きなタイプか、などどうでもいい情報がまた増える。
『ほんでやぞ？ん〜どうにかなりそう？Aさんずっとポアロでバイトすんの？大丈夫？死なない？死にそ〜』
何故ポアロでバイトすることが死につながるのか。
イケメンと美女が近くで働いているからだろうか。
『う〜ん無理じゃな、タイミング見計らって逃げよ。何が悲しくて特大爆弾二つの近くで生活せんにゃならんのか〜でもなあ〜下手に逃げたら余計マズそうだしなあ〜〜んあ〜どうしよ〜〜〜どれもこれもあのクソオーナーのせいだ』
「……特大爆弾？」
彼女はどうやらポアロにいることを警戒しているらしい。
特大爆弾というのは何なのか。
少し警戒を強めたオレのことなど露知らず、彼女は独り言を続ける。
『なんかこう上手いことフェードアウトできんもんかね……名探偵の近くとか怖くてやってらんねえ〜〜やだあ〜〜絶対ボロ出る〜〜〜』
名探偵？おっちゃんのことか？
ボロが出る、とは？
『しゃ〜ねえ私は全力で保身に走るぜ。目指せ梓さんポジ』
梓さんポジ？それはどういうポジションだ。
『……あ〜〜大丈夫大丈夫私はただの大学生だし？な〜んもやましいことなんかしてないし？知ってちゃヤバイ情報なんてな〜んも知らないし？だぁ〜いじょうぶだって、なんとか上手くやれそうじゃん？大丈夫だAさん、諦めるなAさん』
敵か味方か、ただの変人か。
恐らくただの変人ではないのだろう。
彼女が何かを隠しているのは間違いない。
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Sun._raise(プロフ) - やばい、ハマった (2022年2月1日 0時) (
レス) @page49 id: 276bbde748 (このIDを非表示/違反報告)
どぅわああああ - mission47、主人公と博士は夜想曲の帰りのスバルさんに乗っているので初めましてではないですね。とても面白いので続編以降も楽しみです。 (2021年7月14日 1時) (レス) id: 04b80a02c7 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！ (2021年7月13日 13時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 自転車事故のくだりめっちゃ爆笑しました！この作品大好きです！ (2021年4月25日 22時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
よる - まだ設定しか見てないけど名前入れたら本名になって驚き��(ﾟДﾟ) (2020年4月22日 23時) (レス) id: c5f0e73031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斗
| 作成日時：2019年4月13日 23時
