モテ期、始まりました (ページ3)

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大「なにビビってんの、冗談だし」

私の腰から手を離すと、"びびってんの～"って、いつもの様におちゃらけてる。

「…ビックリするでしょ、もう…」

一瞬、男の顔になった弟を思い出すと、顔が赤くなるのを感じた。

作り終えたお弁当箱を、無地の布で包むとバッグの中に入れると、同時に私のスマホに着信。

「もしもし？壱馬？」

壱「おー、明日のことで聞きたいことがあって」

「明日のことって？」

壱「北人と2人で飯食うの？」

「あ、うん。有難いことに誘ってもらって」

壱「ふーん。分かった」

素っ気なく返事をすると、直ぐに切れる電話。

「？なんなんだろ」

北人くんと喋るようになったあの日から、壱馬の様子がおかしい。

LINEで、今どこにいるのとか、北人といんの？とか。

「ま、いっか」

翌朝。

昨日用意したお弁当を2つ持って、学校に向かう。

「行ってくるねー」

まだ寝てるであろう大樹に一応声を掛けて玄関を出る。

「…えっ！？」

玄関を開けると、そこには壱馬の姿が。

壱「おはよ。」

「おはよ…え、なんでいるの？」

壱「たまたま近くにいたから」

いや、そんなわけない。

壱馬の家は反対方向だし…

「…で、何の用ですか」

壱「別に？一緒に行こうと思って」

「…うん？」

そう言って、壱馬は私の隣を歩く。

学校の近くに着くと、そろそろ恥ずかしくなる。

学校でトップを争うくらいのイケメンの幼馴染が、私の隣を歩く。

周りの女子達はもちろん悲鳴。

北「A、おはよ」

私の腕を引っ張って、壱馬の隣から北人くんの隣に。

壱「よぉ笑」

また、壱馬が私の腕を引っ張って北人くんから壱馬の隣に。

「…いや、ちょ…」

私の前で2人が向き合う。

北「譲らないよ？」

壱「俺だって」

二人とも、なんの話ししてるのか分かんないよ…