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「お兄ちゃーん、そろそろ遅刻するよー?」
玲「分かってるって…」
2階からのそのそと降りてくるのは私の兄、玲於。
私、佐野Aは兄と2つ違いの兄妹だ。
小さい頃から、いつも2人でいた私達は高校生になった今でも2人で毎朝登校している。
「お兄ちゃんが遅刻したら、私が先生に怒られるんだからね!」
玲「わぁーってるって…」
急いでる人とは思えないスピードで、朝食を食べて歯磨きをする。
朝食も歯磨きも済ませた私は、二階にあるお兄ちゃんと一緒に寝てる部屋に行って服を着替える。
玲「入るよ」
私がパジャマを脱ぎ、下着姿のところにお兄ちゃんが入ってきた。
「もー、ノックくらいしてよ。ていうか、時間やばっ!!」
下着姿を見られるのなんて当たり前だし、
そんなこと気にしてる時間でもないから急いでシャツを羽織り、ジャケットを手に持つ。
玲「朝からお前の下着姿を見せられる俺の身にもなれ」
「ちょ、お兄ちゃん失礼過ぎ!!」
まだ眠そうな目を擦って、着替えたお兄ちゃんは面倒くさそうにカバンを持って私の後についてくる。
「行ってきまーす!」
『行ってらっしゃい、気を付けてね』
玄関まで見送ってくれたママが、私たちに手を振るる。
玲「お前、朝からうるさすぎ…」
「お兄ちゃんが遅いからでしょ、ちゃんとしてよね」
ギリギリ、間に合う時間だったから2人肩を並べて見慣れた道を歩く。
玲「ていうかAさ、高1にもなるんだからそろそろ下着姿見られんのとか恥ずかしがれよ」
「えー?そりゃ恥ずかしいけど、お兄ちゃんは家族じゃん。他の人に見られんのは嫌だけどね」
玲「あっそ」
相変わらず朝が弱いお兄ちゃんは、自分から聞いといて素っ気ない返事。
「なんなの、感じ悪いなぁ」
玲「俺以外に被害者が出ないようにするためだよ」
「どういうこと」
容赦ないお兄ちゃんの口からは、グサッと来る言葉がどんどん出てくる
「本当、そんなんじゃ友達減るよ」
玲「いいよ別に」
「いいんだ」
玲「家族いるし」
いつものようにプチ喧嘩をしていると、必ず言う言葉
"俺には家族がいるから" とか"家族より大事なものは無い" とかどの口が言ってんだか
「でも、そーゆーとこ好きだよ」
玲「は、きもいやめて」
とか言いながら満更でもないお兄ちゃん。
こんな会話をしながら、学校に着くとそれぞれの教室に向かう。
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作者名:莎嶌 美咲 | 作者ホームページ:http://misaki.saejii.jp
作成日時:2019年4月7日 2時