�� ページ48
*
テストの端っこを折ったテスト。すっと手が伸びてきて、その折れ目を開く。
「うわ、負けた」
「あ、海。勝手に見ないでよ」
負けたよ ほら、と自分のテストを見せる。
たったの2点差。
「やった」
「ちぇー」
これで3勝2敗。勝ち越した。
だってまあ 勉強してるし。
お仕事してる海とは違う。
．
西日に染まる教室。
机に広げたテスト。
前後の席に腰掛けるわたしたちふたりだけ。
「わたしの勝ちだね。何してもらおう」
本当に悔しそうな顔をする海。
テストの点を競うようになったのはいつからだっけ。
小学校のころだったかな。
中学に上がってからは定期テストごとに勝負しては、勝った方が相手に何かしてもらえるのだ。
とはいっても、
アイス奢りとか 食堂へパシリとか
そんなくだらないこと。
でも こうやって続けられてることは
わたしにとってはすごく嬉しくて大事なことだ。
「今回は勝ちたかったのにな。もう3連敗」
「なにかしてほしいことあるの」
何気なく聞いた言葉。3連勝だし、
少しの余裕も込めて。
「うん」
わたしの前に座り ほおづえをつく海。
ちらっとわたしを見て、また目をそらし、
テスト用紙を見る。
「俺さ、○○のこと 好き」
なに急に。そんなの
「…うそ」
そっと顔を上げて、わたしを見つめる。
「うそじゃない」
うそじゃない？
○○のこと好き？
海がわたしを好き？
わたしを好き？
「今度勝ったら 付き合ってほしいって、
言おうと思って」
見たことないような 恥ずかしそうな顔をする。
いつもむかつくくらい余裕綽々
ってかんじなのに。
「わたしも。…わたしも」
海と目が合う。
「おねがい 決めた」
目を瞑る。緊張してる。
心臓がうるさい。
どんどんと鳴ってる。
「…なに？」
「次のテスト 勝って」
そう言うと、海はいつもみたいにくしゃっと笑う。
「任せろ」
「手加減はしないから」
「あたりまえ」
帰ろっか と机の上のテストを片付ける。
こんななんでもない日が、たった一瞬で こんなにすごい日になるんだ。
毎日見てるはずの夕焼けが、こんなに眩しいことがあるんだ。
どうしようもなく うれしかった。
(これは両思いってことでいいんだよな？)
(テスト はやく来い)
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るる(プロフ) - 終わりなんですか？？悲しいです、、（；＿；）これからも他の作品楽しみにしてますo(^_^)o (2015年9月7日 0時) (
レス) id: d3f77465dd (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅ。// - こーちゃんのは号泣です泣、あとはめっちゃきゅんきゅん//しました笑。\(*´∀`*)/更新頑張ってください (2015年8月19日 1時) (レス) id: 265b6a7a78 (このIDを非表示/違反報告)
みさみさ(プロフ) - もう、めっちゃ感動しました（泣）泣きました〜素敵な作品ありがとうございました！これからも頑張ってください!! (2015年8月15日 0時) (レス) id: b9c42e7b14 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 羽空さん» コメントありがとうございます！号泣なんて…！うれしいです(´｡･o･｡`)がんばります！ (2015年8月14日 22時) (レス) id: 5f993869e2 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ミユカさん» コメントありがとうございます！Twitterもこちらも見てくださってるなんてうれしいです！そんなに言ってくださるなんて本当にありがたいです。がんばります！ (2015年8月14日 22時) (レス) id: 5f993869e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな | 作成日時：2015年8月9日 4時
