空に光る星

酷くないですか？ ページ32

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「結弦！どうした？リンク空いたぞ。さあ、練習、練習！！」

　声をかけて来たのはビイ太先輩だった。

「―――シイナさん、どこか故障してるんですか？凄く調子悪そうで…」

　ビイ太先輩とシイナさんは親友だと聞いていた。

「見てられないってか？」

「今回も表彰台、間違いなしって期待されてるのに…」

「―――故障っちゃあ、故障だな…ただし心の故障だ。」

「心の？」

「シイナ、地方住みだったろ？大学進学とスケートの為こっちに出て来た。―――地元に彼女がいてさ…遠恋してたんだ。」

「遠距離恋愛ですか…」

「そう。――――――で、その彼女に男が出来て、シイナ振られちゃったんだ。」

「男が！？それって彼女さん酷くないですか！？」

「そうだなぁ…遠恋ってムズカシイなぁ…女って好きな人には傍にいて欲しい生きモノなんだよ…きっと。」

　それはそうかもしれないけど…

「結弦！お前、こっちに進学予定だろ？それまで地元に彼女なんか作るなよ！」

「―――彼女なんて作る余裕ないですよ。」

「まさか好きな子なんていないよな？」

「――――――い…いないです…」

　そう言った後、Aさんの顔が浮かんだことが、ボクには不思議でたまらなかった。


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