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九哀 ページ33







そろそろDJブースに行こっか♪


・・・なんて、思いながらボックス席を立つ


セイラにヒラヒラ手を振り、螺旋階段に足をかけた一拍後


高・低音の喧騒が俺の耳に昇って来る


そして耳をつんざくハウリング


おい、アイスもナインもアンプの電源Offにして喧嘩しろよ


スピーカーが全部音拾って、倍々でうっせーんだよ


あっ、パールが叫んだ


マイクで思いっきり俺を呼ぶ


『 バーニー、早く加勢しろ!! 』ってさ





カツカツカツ・・・・





力強く螺旋を蹴上がってきた


俺の前に黒ライダースのイケメン登場


で、更に上を目指し、駆け上がってく


俺なんか見向きもせず、目の前をスルッとthrough・・・


ポカーンと背中を見送ってたら






「 ちょっとアンタ、なにボーっとしてんの? 上にはあの娘しかいないのよ!! 」





セイラに怒鳴られてハッとする


そうだ、劉が外に出たから最上階にはAちゃんしか・・・


ヤバッ、Aちゃんを守らなきゃ


んで、カッコいいとこ見せたら、いい感じになれるかも♪


下心を抱えて上階に向かった











「 sigh・・・ 」





ため息しか出ない


目に前に広がるのは、メチャクチャにされたメインフロア


割れた酒ビンやグラス、


ひっくり返ったテーブルとイス、


そして料理の残骸が巻き散らかされている


それらをフロアスタッフと一緒に片づける





「 落ち込んでんな 」


「 さっき劉にコッテリやられてたもんな 」


「 命があるだけマシだわ 」





アイス、ナイン、セイラが俺に言いたい放題





「 っていうかココ明日営業出来っかな?

  一番のヘマしたバーニーだけ片せば良くない♪ 」





パールの発言に『 サンセーイ! 』×3


四人して一斉にクラブから出て行った


それに便乗してソソクサといなくなるスタッフ達


劉だけは先にあの人の所


今回の騒動の報告





「 あの男が雨宮広斗か 」





Aちゃんと雨宮のラブシーンを見せられた俺のショックはでかい


そんな相手がいたなんて知らなかったし


Aちゃん片手に、俺を一撃でダウンさせて颯爽と出て行った桁違いの強さ





「 面白くねぇ 」





思いっきり床に叩きつけた酒ビン


飛ぶ破片で切れた指





「 大丈夫? 」





親切ぶった媚びた声











九哀・LOCKED―ROOM(PASSWORD INPUT SYSTEM)

http://uranai.nosv.org/u.php/novel/hanashitone1/





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作者名:姫保 | 作成日時:2016年6月4日 23時

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