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六哀 ページ30

***





A!!



広斗!!




交わされたのは

ヒトミとヒトミ

オモイとオモイ



呼び合ったのは

ナマエとナマエ





。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。





「 黒ずくめのバイカ―スタイルなんて、このクラブじゃ目立ち過ぎるわね 」


「 あのイケメン、なんでコッチをガン見してんの? 」


「 ・・・見たことない面だな 」





好奇心に負けて近づかなきゃ良かった


バーニーから離れる口実にもなると思ったのに


一面ガラス張りの壁から透けて見えるダンスフロア


忘れようとしても忘れられない・・・






「 あっ、リ、リュウ 」


「 華公主。どうしました? そんなに震えて 」


「 ここから、離れた・・ 」


「 ええ、ダメだよ。 来たばっかでしょ? 」





ギュッと、後ろからバーニーの腕が回る


『 寒いなら俺があっためるけど? 』って、耳元で囁かれる


嗅ぎ慣れない香水と、湿った吐息に怖気が走る





「 やめろ、バーニー。 お前は性急過ぎる 」


「 そうね、がっつき過ぎだわ 」





リュウがバーニーを


セイラがわたしを


引っ張って離してくれた





「 もうお送り致します 」


「 ええ? ほんのちょっとしかいないじゃん! 」


「 今日は互いの面通しの機会を与えていただいただけだ

  大切な華公主に何かあったら、俺があの方の代りにお前を殺す 」


「 ゲッ!! 」


「 ったく、あんな手荒に連れ出してきて 」


「 だってさ、あのおっさんがズーっとAちゃんといるんだもん 」





反省とか謝罪の気持ちが無さそうなバーニー





「 じゃあ、俺が送るから 」


「 ダメだ 」


「 チェッ 」


「 バーニー、セイラもここから出て行ってくれ

  車を用意するまで華公主を休ませるから 」


「 わかったわ。 二階のボックス席に移動するわよ 」


「 はーい。 またね、Aちゃん♪ 」





ん?


chuっと、余計なモノが頬に触れた





「 バ、バーニー? 」


「 次はココね 」





唇を指先でつついてから出て行く





「 アイツ、ハア、これで少し静かになります

  俺が呼びに来るまで、くつろいでいて下さい 」





やっと、一人になれた


下からは音と光が昇ってくるけど


ゆっくりを瞼をおろして・・・深呼吸





***

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作者名:姫保 | 作成日時:2016年6月4日 23時

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