華戦～HANAIKUSA～ (ページ28)

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五華ページ28

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「お前、撮れたんか？」

「バッチリっす！インスタにアップっと・・・」

「テッツ、やめろ」

「えっ？コブラさん、いつの間に・・・」

「その女、次に現れたら尾けろ！」

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

「おかえりー、雅貴」

「おっ、Aちゃん。風呂上がりか？」

濡れ髪で肌がほんのりピンク色のAちゃんが笑顔で出迎える

ホカホカって効果音がつきそうな姿

「おい、ちゃんと髪乾かせ！

　冷えて風邪ひいたらどーすんだ？」

「いや、痛い！頭壊れる！」

ガシガシとバスタオルでAちゃんの髪を拭く広斗

この二人のヤリトリを見てると五年前に戻ってしまう

年の離れたA(妹)の世話をやいてたあの日々に・・・

「今夜は帰んの早いな」

「まあね

　あっ、Aちゃん、俺がプレゼントしたルームウェア着ないの？」

モコモコのワンピ型

女子力高めで似合いそうなのに、

この娘はいつも広斗の着古したスエットを家の中で着てる

「足がスースーするの好きじゃない」

そう言って、俺が用意した女の子らしい服には全く手をつけない

出かけるときも、俺達のジーンズやパーカーを着る

体が服の中で余ってる感じが可愛いっちゃ可愛いけど、

せっかく綺麗な顔してるんだから、おしゃれしたとこも見たいんだよな

でも、外見に全く気を使わないトコが妹に似てる

あと・・・

「よっ」

いきなり床に座りストレッチを始める

開脚したり、テーブルをバー替わりにして足をピッタリ頭までつけたり

まるでバレエのような動き

これも妹そっくり

「 Aちゃんってバレエやってたの？」

聞いてみれば『ううん』って答える

九条たちはケガを心配して運動禁止にしていたようだ

顔といい、仕草といい、なぜこんなにダブる？

俺より側にいる広斗が気づいてないわけがない

「広斗、お前さ、あの娘の耳の後ろ見た？」

Aちゃんから離れて、俺の隣でビールを飲む広斗に聞いてみる

「右耳か？無かったぞ

　っていうか、Aが妹なわけねーだろ？なら墓ん中にいるアレはなんだ？」

そうだ、俺達は妹の遺体を見ている

Aには・・・妹には右耳の後ろにハート型の痣があった

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