九咲 ページ21
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「 ・・・久しぶりだな 」
「 ノボル？ 」
ヤマトのガレージに顔を出すと、コブラが驚いた顔で俺を見た
「 今までどこにいたんだ？ 俺達がどれだけ心配したか・・・ 」
ヤマトは駆け寄ってきて俺の肩をバシバシ叩く
再会を喜ぶように笑顔で・・・
「 俺は出所後、家村会の世話になった
その縁で今は、九龍グループ総裁の側付きだ 」
「 あの九条のか？ 極道中の極道、闇の黒幕といわれる 」
「 そうだ、コブラ
今、俺達はＳＷＯＲＤ地区を制圧する準備をしている
大人しく傘下に入らなけらば、跡形もなく潰してしまうためのな！ 」
「 お前、本気でソレ言うてるんか？ 」
「 ああ、ダン。 でも・・・俺はソレを止めたいんだ 」
「 どういうことだ？ 」
ほら、お前は昔の仲間が苦しむ姿を見たくないだろ？
「 お嬢が・・・
九条のお嬢が、このＳＷＯＲＤ地区で行方不明になったんだ 」
「 九条に娘がいたのか？ 」
「 正式には“ 華 ”として育てられた人だ
俺も小さな頃から成長を見守ってきた大切な人なんだ
もし、ＳＷＯＲＤ地区で揉め事に巻き込まれるかと思うと・・・ 」
「 ノボル・・・お前、まさか“ 華 ”を？ 」
「 もう・・・美保の時のような思いはしたくない！！
お嬢が傷つく前に・・・早く、早く見つけて差し上げたいんだ 」
顔を手で覆い肩を震わす
コブラ、俺は失った恋人とお嬢を重ねる哀れな男に見えるか？
「 ・・・手は尽くしてみる
お前、抗争を遅らせる手段はあるのか？ 」
「 九条の旦那様に全ての組に伝令してもらう
“ 華 ”が見つかるまで、Ｇ・ＳＷＯＲＤへ手出しするな！と 」
わかったと頷いて、テッツと新入りのチハルに指示するコブラ
お前、本当にいい奴だな
こんな噓つきの人殺しに・・・騙されて
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「 ヤマト、なんか引っかかる 」
「 コブラ？ 」
「 ノボルが言ったように、世間知らずでなんもできねーような女がさ、
「 えっ？ 」
「 “ 華 ”は望んで消えた。 で 」
「 で？ 」
「 それを助けた誰かがいる 」
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作者名：姫保
| 作成日時：2016年2月4日 2時
