華戦～HANAIKUSA～ (ページ16)

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四咲ページ16

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スポンジを繰り返し揉む

わお♪

モコモコの泡がたくさん生まれた

ソフトクリームみたいに段々重ねになったソレを

ふぅーっと思いっきり吹いた

フワフワ・・・浴室の中を飛んでる

楽しいコレ

あっそうだ

広斗はこれで体を洗えって言ったんだ

わたしはもう一度スポンジにボディソープをしみこませた

・・・一人で洗うってなんか変

だってこれだと背中に手が回らない

まっいいか、明日広斗に洗ってもらえば♪

泡を流したら・・・

これをずーっとやってみたかったの

ザブーン！！

バシャバシャ！！

思いっきり浴槽に勢いよく飛び込んで

か・ら・の

足をバタバタ動かして水しぶきを上げる

以前やろうとしたら菊志野が

『お行儀の悪いことはおやめなさい！』って雷を落としたんだ

バシャバシャバシャ！！

楽しい♪

なんでこんな楽しいこと菊志野はダメって言ったんだろう？

つまんなかったな

バシャ・・バシャ・・・

アレ？目が・・天井グルグル・・・

「この馬鹿！」

ん？

なんでわたし布団かぶってるの？

なんで広斗が怒ってるの？

おでこが冷たくなる

大きな手が、小さくたたんだタオルをおいたんだ

「風呂からなかなか上がってこねーし、ドア越しに呼んでも返事ねーし

　湯あたりでぶっ倒れるまで入ってんじゃねーよ。この大馬鹿！！」

出会って少ししか経ってないのに、広斗はわたしを何度もバカバカ言う

「馬鹿って言うほうが馬鹿って言わない？」『バカッテイウホウガバカナンデスー』

「はっ？」

アレ？

この言葉どこかで言った気がする

「箱入りのくせに口が悪いよな」『オンナノクセニクチガワルイゾ』

「えっ？」

この言葉も・・・

「どうした？まだ具合が悪いか？」

「も・・だい・・丈夫」

「これ飲めるか？ちょ、ちょっと待て！！」

「広斗？」

「勝手に起きるな！」

広斗の切れ長の瞳がまん丸になって、顔が赤くなった

なんだかすごく慌ててる

「だって起きないとお水飲めない・・・」
　

「お前、風呂場からそのまま連れてきたから真っ裸(まっぱ)なんだよ！！」

「マッパ？」

「頼むから何か着ろ！」

広斗が服をわたしに投げつけた

慌てるならなんで着せてくれなかったのかな？

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