柱の少女は、狙われ体質。

参拾 ページ31

しかも体の大きさが若干大きくなったし、少年らしい面影はどこにもない。



ただの恐ろしい化け物だ







私と実弥は、左右から鬼に斬り込む。


柱二人がかりならば倒せるはず。






しかし、

「許さない……許さない！血鬼術 細雪威吹！！」






さっきと血鬼術が違う。

それに、さっき倒した弟の鬼の血鬼術と混ざっていないか？






実弥はさっきの私同様に刀を振ってのりきろうと思っているよう。







でも、それじゃダメ。

毒が含まれる雪は細すぎて全部を振り切れない！





『弐の型 空宙斬朱ｯｯ！』



私は実弥の前に出て、横から血鬼術の毒の雪を斬る。



実弥「オイ！A、今のは俺でも防げる！余計なことすんじゃねェ！テメェはテメェのことだけ考えとけ！」



『違う、今のは実弥の技でも防げなかった。雪が細すぎるの。

さっきもこれをくらって耐性ができてる私が盾になるほうが合理的でしょ？』





私は自己犠牲思考が強かったわけでも、優しいわけでもなんでもない。


ただ、実弥の戦力はまだ残しておかなくてはいけないと思っただけ。

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