検索窓
今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:38,526 hit

After story ページ10

「へぇ、思ってたよりええ女やん」



正式な破談の申告のため、五条家に赴いていた五条の元彼女は、金髪、ピアスの失礼な男を訝しげに見つめた。



「誰よあんた」



「おーこわ。べっぴんが台無しやなぁ」



飄々とした態度で彼女の神経を逆撫でする禪院直哉。
27歳。



フン、と彼女がその場を立ち去ろうとしたその背中に、直哉は声をかけた。



「悟くんと別れたんやって?」



ピタリ、と彼女の足が止まり、振り返って直哉を見つめ返す彼女の顔からは嫌悪感が拭いきれていない。



「本家の人間ね。だったら何」


「そない怒らんでもええやんか」



直哉はスタスタと彼女に近づき、品定めするように全身をジロジロと見る。



そして、ニヤリと笑みを浮かべ口を開いた。



「なんや、悟くんも勿体ないことしたなぁ。あんなちんちくりんよりよっぽどええ女やん」



彼女は苛立ちを隠そうともせず、派手に舌打ちをすると踵を返した。



「ちょぉ、待て待て。褒めてるんやんか」



直哉はすかさず彼女の前に割り込むと、ぐいっと彼女の顎を持ち上げた。



「うちにこーへん?悟くんとことおんなじぐらい金はあんで?」



パシッ、と乾いた音が響く。



五条の元彼女は、顎にそえられた手を叩き落とし、自分より背の高いその男を睨みつけた。



「金で釣れる安い女だとでも?見くびらないで」



スタスタと彼女は直哉の横を通り過ぎた。



直哉はにやりと笑うと、愉快そうに呟く。



「なーんや、どんな悪女か思うたら全然やんけ。悟くんほんま勿体ないことしたなぁ」



そして、遠くなっていく彼女の背中に語りかけた。



「悟くんほどの高スペック男、そないにおらんと思うで?」



彼女はピタリと足を止め、くるりと振り返った。



「他の女にお熱な男なんてこっちから願い下げよ」



彼女はピッと中指を立てるとそのまま歩き出した。





「おもろい女やなぁ」



直哉はクックッと愉しそうに笑い、彼女とは逆の方向へ歩き出した。

続き→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (153 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
517人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

もんて、(プロフ) - mirusenさん» 閲覧、コメントまでありがとうございます!茜さん理想の強い女ですよね😂主人公にもそんな一面を出せれば良かったんですが...笑最後までお付き合い頂きありがとうございました😊 (5月23日 12時) (レス) id: e014d025e4 (このIDを非表示/違反報告)
mirusen(プロフ) - 私も茜さんが好きです。かっこよくて憧れます。おもしろい話をありがとうございます。 (5月22日 23時) (レス) id: 27eb990fa7 (このIDを非表示/違反報告)
もんて、(プロフ) - さつまいもさん» 閲覧、コメントまでありがとうございます!更新遅いのに読んでいただいてありがとうございます🥺あと1話で完結ですので最後までお付き合いいただけるとありがたいです! (5月21日 9時) (レス) id: e014d025e4 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています。赤面する五條さんにこちらもドキドキしてしましました!良きです♡これからもお身体に気をつけて頑張ってください^ ^応援してます! (5月19日 9時) (レス) @page8 id: 80442a5936 (このIDを非表示/違反報告)
もんて、(プロフ) - ๑ꮺꮺ𓂅さん» 閲覧、コメントまでありがとうございます!☺️あと少しで完結ですのでぜひお付き合い下さい! (2023年4月6日 21時) (レス) id: e014d025e4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もんて、 | 作成日時:2023年4月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。