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「⋯⋯」



ズズ、とお互いに無言で珈琲を啜る。



今更だがここのコーヒーメーカーは私の好みに合うよう五条が特注で用意したものだから、彼女からしたら苦いかもしれない。



案の定目の前の彼女は少し眉間に皺を寄せている。



「砂糖いるか?」

「⋯⋯いえ」

「そうか」



シン、とまた無言の時間が訪れる。



五条の彼女がカップをソーサーに置き、カチャと僅かに皿が当たる音がする。



「言いたいことがあるなら言えばいいでしょ」



私は湯気の登る珈琲を眺める。



「別に、珈琲豆を挽きすぎて処分に困ってたから誘っただけだ」



彼女の視線を感じながら珈琲をズズ、と啜る。



しばらくお互い無言で珈琲を飲んでいると、おもむろに彼女が口を開いた。



「私とっくに振られてるの。あの子が昏睡状態の間に」



カップから視線を移して彼女を見つめると、彼女はまっすぐ私を見ていた。



”あの子”ってのは、Aのことか。



「”家の事情で無理に結婚なんて、君も嫌でしょ。”だって。私が無理に結婚しようとしてた訳じゃないって、なんで分からないんでしょうね。馬鹿みたい」



ふっ、と笑って私から目をそらす。



「そういう奴だからな」



ヘラヘラナヨナヨした五条の姿を思い出す。



「家なんか、関係なかったのに。そんなこと、どうでも⋯⋯」



彼女が言葉に詰まって、目に涙を浮べる。



「あの子が好きなら、せめてそう言えば良いのに⋯⋯ちゃんと、そう言えば⋯⋯」



一体今まで、こんな風にあのクズのためを想って涙した女がどれだけいただろうかと想像して、一度ぶん殴りたくなった。

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もんて、(プロフ) - mirusenさん» 閲覧、コメントまでありがとうございます!茜さん理想の強い女ですよね😂主人公にもそんな一面を出せれば良かったんですが...笑最後までお付き合い頂きありがとうございました😊 (5月23日 12時) (レス) id: e014d025e4 (このIDを非表示/違反報告)
mirusen(プロフ) - 私も茜さんが好きです。かっこよくて憧れます。おもしろい話をありがとうございます。 (5月22日 23時) (レス) id: 27eb990fa7 (このIDを非表示/違反報告)
もんて、(プロフ) - さつまいもさん» 閲覧、コメントまでありがとうございます!更新遅いのに読んでいただいてありがとうございます🥺あと1話で完結ですので最後までお付き合いいただけるとありがたいです! (5月21日 9時) (レス) id: e014d025e4 (このIDを非表示/違反報告)
さつまいも(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています。赤面する五條さんにこちらもドキドキしてしましました!良きです♡これからもお身体に気をつけて頑張ってください^ ^応援してます! (5月19日 9時) (レス) @page8 id: 80442a5936 (このIDを非表示/違反報告)
もんて、(プロフ) - ๑ꮺꮺ𓂅さん» 閲覧、コメントまでありがとうございます!☺️あと少しで完結ですのでぜひお付き合い下さい! (2023年4月6日 21時) (レス) id: e014d025e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もんて、 | 作成日時:2023年4月3日 0時

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